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■そして、4つめが、「AIの偏向が急増するなか、偏向のないAIのみが生き残る」というものだ。

 IBM基礎研究所では、
5年以内に偏向を持ったAIシステムやアルゴリズムの急増に対抗するための新たなソリューションが登場すると予測。
AIの進化には、数多くのデータを使った学習が必要だが、
現在の仕組みのままでは、偏向を生むAIが生まれると指摘する。

 そこでIBM基礎研究所では、
トレーニングデータセットに内在する偏向を減らす方法を新たに開発したという。
これにより、その後、学習するAIアルゴリズムは、不公正が永続されないという。
現在、検索エンジンで「ティーンエイジャー」を検索すると
白人女性ばかりが表示されるといったことが起こる。
IBMでは、「人種、性別、またはイデオロギー的に偏向のないデータで、
AIシステムを開発し、教え込むことが極めて重要だと考えている。
信頼できるAIシステムを開発するうえで、公平なデータが重要になる」とする。

 また、IBMでは、新たな領域への応用などの際に、トレーニングデータが利用できない場合でも、
AIシステムの公平性をテストする方法を考案したという。

 ■最後が、「5年以内には、量子コンピューティングは主流になる」という予測だ。

 「いまの量子コンピュータは、研究者の遊びの場に過ぎないが、5年以内には、
解決不能と考えられていた問題を解決するために、幅広く使われるようになる」とした。

 今回の予測では、量子コンピュータは、大学の教室のあらゆる場所に置かれ、
高校でも、ある程度利用できるようになるという。

 IBMでは、水素化ベリリウム(BeH2)での原子結合のシミュレーションに成功。
これは量子コンピュータでシミュレートされた最も複雑な分子になり、
量子化学における重要な節目になると位置づけている。

 「量子コンピュータは、ますます複雑化する問題に対処し続けることになる」と予測する。

 IBM基礎研究所のクリシュナディレクターは、
「これらの技術は、今後のIBM基礎研究所における研究や、顧客企業との最先端テクノロジーの共同開発、
AIやブロックチェーン、格子暗号、量子コンピューティングなどのテクノロジー、
あるいはビジネスのトレンドによって徐々に明らかになっていくものになる。
IBM基礎研究所は、これらの分野に対して、継続的に多大な投資を行っていく」などと述べた。

PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1112856.html