>>36
http://egg.5ch.net/test/read.cgi/diplomacy/1463310827/429
http://egg.5ch.net/test/read.cgi/diplomacy/1463310827/535

アディオス!ジャパン 日本はなぜ凋落したのか
著者 真山 仁
ttp://mainichibooks.com/books/essay/post-599.html

Episode12 沖縄は可哀そうな場所なのか

P187
リゾート村にそびえる象牙の塔の違和感

 まず、大学院の所轄官庁といえば、通常文部科学省なのだが、ОISTは獣医学部新設問題で世間を賑わせた
岡山理科大学(加計学園)と同じ内閣府の所管だ。さらに、「教員と学生の半数以上を外国人」と規定しており、
学生は130人のうち107人が外国人で、8割以上を占める(2017年5月時点)。
 その上、大学の研究員には毎月生活費が支給され、学内にある低層高級マンション風の住居も安価で借りられる
という。
 この至れり尽くせりの施設を支える資金は全て、国の補助金で賄われている。
 国立大学であっても独立行政法人化して、経済的に自立せよという国の方針からは信じられない特別扱いである。
しかも、その恩恵に浴する大半は、外国人というのも不思議な話だ。
 何より目を引くのが、この大学の設立目的だ。その大きな柱の一つとして「沖縄の自立的発展」と記されている。
 こういうものを私のようなひねくれ者が見ると、「ああ、これは基地対策でできたのか」と邪推してしまう。
OISTが、どのように沖縄の自律的発展につながるのかが見えないからだ。
 本当にその文言を徹底するなら、沖縄県内の教育レベル向上のために、大学内には就学前教育から大学院までの
一貫した教育システムを用意すべきではないか。また、学費や研究費を優遇されている学生は、沖縄に地域貢献する
ことを義務化するぐらいは当たり前にも思える。
 しかし、実際にそんな規定はなく、世界中から好環境を求めてやってきた学生が、ここで学び、世界に飛び立っていく
ばかりである。
 世界の先端科学をリードする若き研究者を育成するために莫大な国費を投じながら、その成果には無関心。また、
沖縄の自立のためと謳いながら、そこもまた無頓着――。わかりやすいぐらい近年の日本の政治の愚かさを象徴する
という意味では、特別でも何でもないのかもしれない。