0001野良ハムスター ★2018/11/07(水) 22:20:01.12ID:CAP_USER
■「血液型」ではなく「全身型」が正しい
血液型とは、あくまで「血液」だけの「タイプ」だと思っている人が多いのではないだろうか。それは、正しいようで正しくない。
感染免疫学・寄生虫学・熱帯医学を専門とし、『血液型の科学』(祥伝社) をはじめ、血液型に関する著作のある藤田紘一郎教授はいう。
「ABO式血液型の決め手となるのは血液型物質ですが、これは血液中にだけに存在するものではありません。内臓からリンパ液まで、人体のあらゆるところに分布しています。とくに胃や腸には多く、血液中の何百倍もの量が存在しているのです」
血液型物質という耳慣れない言葉が出てきたが、まずは血液型発見の歴史からおさらいしてみたい。
ABO式血液型は、1901年、オーストリアのカール・ランドシュタイナーという病理学者が、血液の凝集反応から発見した。凝集反応とは、A型とB型の血液を混ぜると赤血球同士がくっついて固まるが、A型とO型ならば固まらないといった反応だ。生物の時間に実験をした人もいることだろう。
最初に血液から発見されたため「血液型」と命名されたが、その後の研究で全身に分布していることがわかったので、学者たちは「全身型」に改めようとしたそうだ。しかし、そのときにはすでに「血液型」という名称が広く浸透していたという。
血液型物質とは、血液中では、赤血球の表面に付着した糖鎖(糖の分子) だ。付着するパターンが4つあり、それによって血液型を見わける。
「赤血球の表面にA型物質をもつのがA型、B型物質をもつのがB型です。AB型はA型物質とB型物質の両方をもち、O型はどちらももちません」
また、血液型物質は、生体内で「抗体」を発生させる抗原でもある。抗体とは、病原菌や異物など、「非自己」と認識されるものが生体内に侵入したとき、それと特異的に結合して、外へ排除する役割を負うものだ。
少し端は折しょって説明すると、A型は血清中に抗B抗体をもち、B型は抗A抗体をもつ。また、AB型はどちらももたず、O型は抗Aと抗B、両方の抗体をもつ)。
抗原と抗体が出あうと、抗原抗体反応が起こる。A型とB型の血液を混ぜたときの凝集反応は、互いの抗原(血液型物質)を非自己と認識したことによる、抗原抗体反応のひとつだ。
長々と説明してきたが、ポイントはふたつ。ひとつは、血液型の判断材料となる血液型物質が、血液だけでなく全身に存在するということ。もうひとつは、血液型が免疫反応と密接にかかわっているということだ。
■2種類の抗体がO型の免疫力を高める
「免疫学的には、4つの血液型のなかでいちばん病気に強いのはO型です」
藤田教授は、人間ドックを受けた成人5000人の血液について、リンパ球の割合を調べたそうだ。
「すると、O型が39 パーセントで、4 つのなかでは最多でした。次がB型で37 パーセント、A型が36 パーセント、AB型が34 パーセントという結果になりました」
リンパ球は、生体防御にかかわる重要な細胞で、異物(抗原)に遭遇すると、それを排除するための抗体をつくりはじめる。したがって、リンパ球が多いということは、抗体が多く、免疫力が高いということだ。
免疫力の高さは、4つの血液型がもつ抗体から説明できる。
「O型の人は、抗A抗体と抗B抗体の両方をもつことは、先に述べました。これらふたつの抗体を体内で絶えずつくりつづけているので、免疫力が活性化されています。
反対にAB型は、どちらの抗体もつくっていないので、4タイプのなかでは免疫力が弱いといえます。
A型とB型については、抗A抗体をつくるほうが免疫力が高くなるので、2位がB型、3位がA型です」
こうした免疫力の違いが、各血液型の行動パターンの違いとなって表れると考えてもいいのではないか、というのが藤田教授の意見だ。
「免疫力が最も高いO型は、あれこれ考えるよりどんどん行動するし、人の中へも遠慮なく入っていきます。これは、そうしても大丈夫なだけの強さをもっているからかもしれません」
O型の免疫力の高さについては、藤田教授の実験や過去のデータによっても明らかにされている。
「たとえば、O型は梅毒に感染しにくく、重症化もしません。サルモネラ菌や大腸菌、肺炎球菌も、O型の血清中ではあまり増殖しません。こうした強さが、O型のおおらかで行動的な性格を支えている可能性があります。一方、A型やAB型は、他人との間にほどよい距離を置こうとするのです」
「ムー」2018年11月号 特集「血液型の科学」より抜粋)
http://gakkenmu.jp/column/17156/
血液型とは、あくまで「血液」だけの「タイプ」だと思っている人が多いのではないだろうか。それは、正しいようで正しくない。
感染免疫学・寄生虫学・熱帯医学を専門とし、『血液型の科学』(祥伝社) をはじめ、血液型に関する著作のある藤田紘一郎教授はいう。
「ABO式血液型の決め手となるのは血液型物質ですが、これは血液中にだけに存在するものではありません。内臓からリンパ液まで、人体のあらゆるところに分布しています。とくに胃や腸には多く、血液中の何百倍もの量が存在しているのです」
血液型物質という耳慣れない言葉が出てきたが、まずは血液型発見の歴史からおさらいしてみたい。
ABO式血液型は、1901年、オーストリアのカール・ランドシュタイナーという病理学者が、血液の凝集反応から発見した。凝集反応とは、A型とB型の血液を混ぜると赤血球同士がくっついて固まるが、A型とO型ならば固まらないといった反応だ。生物の時間に実験をした人もいることだろう。
最初に血液から発見されたため「血液型」と命名されたが、その後の研究で全身に分布していることがわかったので、学者たちは「全身型」に改めようとしたそうだ。しかし、そのときにはすでに「血液型」という名称が広く浸透していたという。
血液型物質とは、血液中では、赤血球の表面に付着した糖鎖(糖の分子) だ。付着するパターンが4つあり、それによって血液型を見わける。
「赤血球の表面にA型物質をもつのがA型、B型物質をもつのがB型です。AB型はA型物質とB型物質の両方をもち、O型はどちらももちません」
また、血液型物質は、生体内で「抗体」を発生させる抗原でもある。抗体とは、病原菌や異物など、「非自己」と認識されるものが生体内に侵入したとき、それと特異的に結合して、外へ排除する役割を負うものだ。
少し端は折しょって説明すると、A型は血清中に抗B抗体をもち、B型は抗A抗体をもつ。また、AB型はどちらももたず、O型は抗Aと抗B、両方の抗体をもつ)。
抗原と抗体が出あうと、抗原抗体反応が起こる。A型とB型の血液を混ぜたときの凝集反応は、互いの抗原(血液型物質)を非自己と認識したことによる、抗原抗体反応のひとつだ。
長々と説明してきたが、ポイントはふたつ。ひとつは、血液型の判断材料となる血液型物質が、血液だけでなく全身に存在するということ。もうひとつは、血液型が免疫反応と密接にかかわっているということだ。
■2種類の抗体がO型の免疫力を高める
「免疫学的には、4つの血液型のなかでいちばん病気に強いのはO型です」
藤田教授は、人間ドックを受けた成人5000人の血液について、リンパ球の割合を調べたそうだ。
「すると、O型が39 パーセントで、4 つのなかでは最多でした。次がB型で37 パーセント、A型が36 パーセント、AB型が34 パーセントという結果になりました」
リンパ球は、生体防御にかかわる重要な細胞で、異物(抗原)に遭遇すると、それを排除するための抗体をつくりはじめる。したがって、リンパ球が多いということは、抗体が多く、免疫力が高いということだ。
免疫力の高さは、4つの血液型がもつ抗体から説明できる。
「O型の人は、抗A抗体と抗B抗体の両方をもつことは、先に述べました。これらふたつの抗体を体内で絶えずつくりつづけているので、免疫力が活性化されています。
反対にAB型は、どちらの抗体もつくっていないので、4タイプのなかでは免疫力が弱いといえます。
A型とB型については、抗A抗体をつくるほうが免疫力が高くなるので、2位がB型、3位がA型です」
こうした免疫力の違いが、各血液型の行動パターンの違いとなって表れると考えてもいいのではないか、というのが藤田教授の意見だ。
「免疫力が最も高いO型は、あれこれ考えるよりどんどん行動するし、人の中へも遠慮なく入っていきます。これは、そうしても大丈夫なだけの強さをもっているからかもしれません」
O型の免疫力の高さについては、藤田教授の実験や過去のデータによっても明らかにされている。
「たとえば、O型は梅毒に感染しにくく、重症化もしません。サルモネラ菌や大腸菌、肺炎球菌も、O型の血清中ではあまり増殖しません。こうした強さが、O型のおおらかで行動的な性格を支えている可能性があります。一方、A型やAB型は、他人との間にほどよい距離を置こうとするのです」
「ムー」2018年11月号 特集「血液型の科学」より抜粋)
http://gakkenmu.jp/column/17156/