0001ノチラ ★2018/03/15(木) 20:01:28.92ID:CAP_USER
2月に入って以降、リコーの株価が乱高下している。2月上旬、2018年3月期の最終損益が70億円の赤字に陥るとみられていたところ、コスト削減によって営業利益、最終損益ともに上方修正された。それが好感され、2日の終値は前日の引け値から11%上昇した。その後、22日には買収した米国の販売子会社での減損計上が検討されているとの報道を受けて一時、株価は前日から6%強急落する場面もあった。その後の株価の動向を見ても、不安定な動きが続いている。市場参加者は、リコーの成長性に懸念を強めている。
これまでリコーは事務機器メーカーとして成長してきた。言い換えれば、事務機器(ハード)はあるが、事業ポートフォリオはその分野に集中していた。連結営業利益の96%程度が当該ビジネスからもたらされている。富士フイルムなどのライバル企業に比べ、事務機器事業への依存は突出して高い。リコーは海外ビジネスの問題も抱えている。当面、同社は人員の削減などのリストラを進めざるを得ないだろう。
世界の事務機器市場では、省人化やサテライトオフィスの運営のためのネットワークサービスの提供を筆頭に、クラウドコンピューティングサービスの導入促進やペーパーレス化など、人々の働き方を支える“システム”の提供能力が重視されている。競争の環境が大きく変化するなかで、リコーがどのようにして市場のシェアを維持し、拡大することができるか、今後の経営判断の重要性は増している。
ハード=事務機器に偏りすぎたリコー
現在、世界の事務機器業界は、大きな変革に直面している。それは、IT技術の向上とその普及によって、従来の事務作業などの在り方が大きく変化しているからだ。タブレットPCなどを用いて紙を使わずにミーティングを行うことは、多くの企業で当たり前になっている。それに加え、手書きの書類、メモなどを電子化し、ネットワーク上で保存することも増えている。テレワークなどの普及に伴って、こうした需要は増加トレンドをたどるだろう。
このような競争環境の変化のなかで、リコーは収益構造を変えようとしている。その内容は、規模の拡大から利益率重視の発想に経営方針を改め、生産の効率性を高めることである。特に、後者のコストカットに関しては18年第3四半期の決算においても業績の改善に寄与し、一定の成果を上げている。
しかしながら、同社の経営を見ていると、ペーパーレス化などの変化への対応がどのように進められようとしているのか、変化に対応し、成長力を高めるための戦略が見いだしづらい。依然として、リコーはオフィス、プリンティング向けの製品=ハードの販売を経営の基盤に据えている。ハード中心の発想で今後の競争に対応し、シェアを高めていくことは難しいだろう。
今後の事務機器業界で生き残るには、アマゾンやグーグルなどが手掛けるクラウドコンピューティングサービスの普及にどう対応するかが一つのポイントとなるだろう。クラウドコンピューティングの普及によって、インテルのCPU(中央演算装置)を搭載したパソコンを用いてマイクロソフトのソフトを使う必要性すら低下している。必要なデータや情報だけでなく、その解析などに用いられるアプリケーションもネットワーク上でシェアされることが増えている。
リコーが抱える海外事業の問題
変化に対応していくためには、個社独自の技術をベースにしながら、ネットワーク技術の開発などを進めるハイテク企業との連携を進めることが重要になるだろう。すでに、IT、自動車、金融、物流などの業界では、複数の企業が連携しオープンなかたちでのイノベーションを目指すことが増えている。オープン・イノベーションを進めるためには、国内だけでなく、世界各国の企業との連携も必要だ。そのうえで、特定の用途を念頭に置いたモノよりも、ビジネスの環境、基盤(プラットフォーム)を提供することが目指されている。世界各国の企業と連携し、必要なノウハウや技術、コンセプトを取り込もうとする考えは、事務機器業界だけでなく、ビジネス界全体で重視されるだろう。
リコーの経営を考える上で不安なのが、海外ビジネスのリスクに対する姿勢だ。かねてより、リコーは事務機器の需要が見込める新興国でのシェアの拡大を目指してきた。1993年にはインドで販売子会社を設立し、2015年までは事業の拡大がリコーの業績を支えてきた。しかし、この子会社での不正会計が発覚して以降、インドのビジネスはリコーの業績の足かせとなっている。昨年10月、リコーはインドの子会社の再建支援を打ち切ったが、それは同社が海外ビジネスのリスクを的確にマネジメントできなかったことの現れにほかならない。
http://biz-journal.jp/2018/03/post_22594.html
これまでリコーは事務機器メーカーとして成長してきた。言い換えれば、事務機器(ハード)はあるが、事業ポートフォリオはその分野に集中していた。連結営業利益の96%程度が当該ビジネスからもたらされている。富士フイルムなどのライバル企業に比べ、事務機器事業への依存は突出して高い。リコーは海外ビジネスの問題も抱えている。当面、同社は人員の削減などのリストラを進めざるを得ないだろう。
世界の事務機器市場では、省人化やサテライトオフィスの運営のためのネットワークサービスの提供を筆頭に、クラウドコンピューティングサービスの導入促進やペーパーレス化など、人々の働き方を支える“システム”の提供能力が重視されている。競争の環境が大きく変化するなかで、リコーがどのようにして市場のシェアを維持し、拡大することができるか、今後の経営判断の重要性は増している。
ハード=事務機器に偏りすぎたリコー
現在、世界の事務機器業界は、大きな変革に直面している。それは、IT技術の向上とその普及によって、従来の事務作業などの在り方が大きく変化しているからだ。タブレットPCなどを用いて紙を使わずにミーティングを行うことは、多くの企業で当たり前になっている。それに加え、手書きの書類、メモなどを電子化し、ネットワーク上で保存することも増えている。テレワークなどの普及に伴って、こうした需要は増加トレンドをたどるだろう。
このような競争環境の変化のなかで、リコーは収益構造を変えようとしている。その内容は、規模の拡大から利益率重視の発想に経営方針を改め、生産の効率性を高めることである。特に、後者のコストカットに関しては18年第3四半期の決算においても業績の改善に寄与し、一定の成果を上げている。
しかしながら、同社の経営を見ていると、ペーパーレス化などの変化への対応がどのように進められようとしているのか、変化に対応し、成長力を高めるための戦略が見いだしづらい。依然として、リコーはオフィス、プリンティング向けの製品=ハードの販売を経営の基盤に据えている。ハード中心の発想で今後の競争に対応し、シェアを高めていくことは難しいだろう。
今後の事務機器業界で生き残るには、アマゾンやグーグルなどが手掛けるクラウドコンピューティングサービスの普及にどう対応するかが一つのポイントとなるだろう。クラウドコンピューティングの普及によって、インテルのCPU(中央演算装置)を搭載したパソコンを用いてマイクロソフトのソフトを使う必要性すら低下している。必要なデータや情報だけでなく、その解析などに用いられるアプリケーションもネットワーク上でシェアされることが増えている。
リコーが抱える海外事業の問題
変化に対応していくためには、個社独自の技術をベースにしながら、ネットワーク技術の開発などを進めるハイテク企業との連携を進めることが重要になるだろう。すでに、IT、自動車、金融、物流などの業界では、複数の企業が連携しオープンなかたちでのイノベーションを目指すことが増えている。オープン・イノベーションを進めるためには、国内だけでなく、世界各国の企業との連携も必要だ。そのうえで、特定の用途を念頭に置いたモノよりも、ビジネスの環境、基盤(プラットフォーム)を提供することが目指されている。世界各国の企業と連携し、必要なノウハウや技術、コンセプトを取り込もうとする考えは、事務機器業界だけでなく、ビジネス界全体で重視されるだろう。
リコーの経営を考える上で不安なのが、海外ビジネスのリスクに対する姿勢だ。かねてより、リコーは事務機器の需要が見込める新興国でのシェアの拡大を目指してきた。1993年にはインドで販売子会社を設立し、2015年までは事業の拡大がリコーの業績を支えてきた。しかし、この子会社での不正会計が発覚して以降、インドのビジネスはリコーの業績の足かせとなっている。昨年10月、リコーはインドの子会社の再建支援を打ち切ったが、それは同社が海外ビジネスのリスクを的確にマネジメントできなかったことの現れにほかならない。
http://biz-journal.jp/2018/03/post_22594.html