宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、無人補給船「こうのとり(HTV)」7号機から放出された小型回収カプセルが大気圏に再突入し、小笠原諸島・南鳥島沖で回収に成功したと発表した。日本が独自に国際宇宙ステーション(ISS)から実験試料を回収したのは初めて。将来の有人宇宙船開発にもつながる技術として期待されている。
JAXAによると、カプセルは、8日にISSから分離したこうのとりから11日午前6時20分ごろ、高度300キロで放出された。姿勢を制御しながら日本列島の上空約100キロで大気圏に再突入し、パラシュートで降下して午前7時5分ごろ着水した。午前10時半ごろ、洋上で待機中の船に回収された。
カプセルは直径84センチ、高さ約66センチの円錐状で、重さ約180キロ。最高約2千度の高熱にさらされても、内部を4度に長時間保つことができる真空構造のステンレス製容器に、ISSで結晶化させたたんぱく質などの実験試料(約1キロ)が積まれている。
容器はJAXAの依頼で「タイガー魔法瓶」(大阪府門真市)が開発。瞬間的に40G(Gは重力加速度)になる着水時の衝撃にも耐える強度がある。回収後、厳しい環境に耐えられたか確認するという。
JAXAの植松洋彦・HTV技術センター長は会見で「詳しくデータを調べる必要があるが、現時点ではおおむね成功したと言える。有人宇宙船の帰還に必要な揚力誘導の技術の獲得に成功したことは、ブレークスルーで、宇宙開発の一つの壁を超えた」と話した。その上で、「開発の製造試験中から『(無事に)帰ってこい』と言い方をしていた。帰ってくることがわかっていても、顔を見るまで安心できない親の気持ちです」と声をふるわせた。
内山崇・フライトディレクターは「すべてが初めての作業だった。回収された写真を見て、とにかくほっとした。データを見るのがわくわくする」と話した。
https://i1.wp.com/blog.40ch.net/wp-content/uploads/2018/11/K10011706541_1811111222_1811111224_01_03.jpg
https://amd.c.yimg.jp/im_siggX1rVytc5QL4_l883KdHpVg---x400-y225-q90-exp3h-pril/amd/20181111-00000017-asahi-000-7-view.jpg
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASLC54J25LC5ULBJ00L.html
JAXAによると、カプセルは、8日にISSから分離したこうのとりから11日午前6時20分ごろ、高度300キロで放出された。姿勢を制御しながら日本列島の上空約100キロで大気圏に再突入し、パラシュートで降下して午前7時5分ごろ着水した。午前10時半ごろ、洋上で待機中の船に回収された。
カプセルは直径84センチ、高さ約66センチの円錐状で、重さ約180キロ。最高約2千度の高熱にさらされても、内部を4度に長時間保つことができる真空構造のステンレス製容器に、ISSで結晶化させたたんぱく質などの実験試料(約1キロ)が積まれている。
容器はJAXAの依頼で「タイガー魔法瓶」(大阪府門真市)が開発。瞬間的に40G(Gは重力加速度)になる着水時の衝撃にも耐える強度がある。回収後、厳しい環境に耐えられたか確認するという。
JAXAの植松洋彦・HTV技術センター長は会見で「詳しくデータを調べる必要があるが、現時点ではおおむね成功したと言える。有人宇宙船の帰還に必要な揚力誘導の技術の獲得に成功したことは、ブレークスルーで、宇宙開発の一つの壁を超えた」と話した。その上で、「開発の製造試験中から『(無事に)帰ってこい』と言い方をしていた。帰ってくることがわかっていても、顔を見るまで安心できない親の気持ちです」と声をふるわせた。
内山崇・フライトディレクターは「すべてが初めての作業だった。回収された写真を見て、とにかくほっとした。データを見るのがわくわくする」と話した。
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