久しぶりに魂が凍える映像を見た。

この寓話の主人公は、美しき雪山に挑む初老の男だ。

男は荘厳な雪山を、アイゼンを頼りに二本の足でヨロヨロと登っていく。

登山中の男はその雪山のもつ不変的な美に目を向けることもなく滑落の恐怖に囚われているようであった。

案の定、途中恐怖で足がすくんでしまった。

そうだ、アイゼンをなくしたことにすれば良いのだ。

男の顔はみるみる喜びの表情へと変化していった。

不変的な美を持つ自然と動画の収益のためだけに不相応な行動をした人間との対比が、雪山の見えざる厳しさを露わにした瞬間だった。

そのリアリティに私はあきれた。

男は登頂を諦め、うきうきと下山したので事なきを得たのだった。

ここでも登山前の男の気が進まない姿と、下山中の義務から解放された男との対比になっていて面白い。

下山後は、暖かいうどんを食べて帰宅と徐々に日常にもどっていく男の姿が映されていた。

おそらく対比として、登山というビジネスから食事を通してだらけた日常へもどっていく姿を表現したのだと思う。

この動画はやつちんねるさんというユーチューバーが投稿したものなのだが、全編を通して彼の収益のためならできないことでもやったふりをする姿勢を感じさせる映像だった。

彼のモットーは収益なき映像は撮らないことなんじゃないかな。

とにもかくにも無用なユーチューバーさんだと思うので、収益の為好きでもない事は止めていただきたい。