かえみとを見ていたお静はちょっとしたいたずら心で樋口を誑かす
みづにはない大人の女性の色気に惑わされた樋口は次第にお静に惹かれていき、同時にみづへの想いは薄れていった
最初こそ懐っこい樋口をもて遊ぶのを楽しみ、自尊心を満たしていたお静であったが、いつしか樋口を自分だけのものにしたいと思うようになっていた

だが、本当の自分を知ってしまったら嫌われてしまうのではないかと不安を募らせたお静はただ樋口の気を引こうとがむしゃらに行動した
それは親の気を引こうとする子供のようでもあった

単なるいたずら心がきっかけだったが今では樋口のことがただだだ好きで、もっと愛してもらいたい、そう思っている自分に気がついたお静は今にも溢れだしそうな涙を堪え、再び樋口への愛を告白するのであった