>>789
小瓶を手に取り眺める柾。開封された形跡もない小瓶にはラベルも何も貼っておらず、部屋の照明を受けて中の液体がキラキラと輝いていた。
好奇心を刺激された彼女が戸棚を探ってみると、小瓶の説明書と思しき紙切れが見つかった。そこにはこう書いてあった。

『一時的に自制心を失うクスリ。興奮剤300%増量!(当社比)。これで愛しの彼もケダモノルート一直線!』

柾は戦慄した。楠がこの怪しさ満点のクスリを誰に使うのか、次の行動が手に取るように分かるからだ。絆とは一体何だったのか。
出し抜く気マンマンである。どっちが結ばれても恨みっこなしって誓い合ったのに。
ふと壁に掛けられたカレンダーを見ると、ピンク色の丸で囲まれ、ご丁寧にも「大丈夫な日!」とハートマーク付きで書かれた日が散見された。
一体ナニが大丈夫なんだナニが、という疑問は置いておくとして、幸いなことに今月はもう最後の日を過ぎていた。