出張先の青森で仕事が流れて時間を持て余した私は寂れた風俗街に向かった
あてもないので客引きの老婆に誘われるまま店へ入る
「このくまちゃんて娘でお願いします」
通された部屋には24歳というには無理があるが30過ぎだろうか期待はしていなかったが悪くない娘がいた
「上着おあずかりしますね」
なんだろう何か懐かしいような舌足らずな声
「これキズナアイちゃんですよね」
彼女が私のスマホケースを見て言う
「知ってるんですか?」
「オリンピック開会式にも出てましたしみんな知ってますよ」
彼女は僕のものを洗いながら
「わたしも昔日ノ隈らんって名前でバーチャルYouTuberやってたんですよ知らないと思いますけど」
息が止まりそうになる
あのときと何も変わっていない私が唯一恋をしたと言っていい女性の声だった