これは僕がVtuberとしてお絵かきコラボをしていた時のことです。
今思えば最初から不穏だった。コラボに参加している皆さんが何故かじーっ…と静かなんです。もちろん普段はTwitterとかで結構喋る方達ですよ?その日だけは、何かが、何がに怯えるように静かだったんです。
「なんでだろうな、緊張しているのかな」と思いつつ、僕はコラボを進行していました。恐ろしく静かなコラボで、僕は視聴者さんを飽きさせまいと必死に喋っていました。でもコラボ相手の方々はすごく静かなんです。
これじゃあ場を持たせるのは難しいな…と思っていたら、携帯から「ピロリンっ」とLINEの通知が来たんです…マイクが拾わないぐらいの音量ですよ?もちろん。しかも知らない人からですよね、良くある迷惑なやつかな?と思ったり。
んで、なんだ今はコラボ中だぞと、LINEは開かずに通知を引き出してみました。そこで僕は思わず冷や汗をかきましたね……そこにはこう書いてありました。
「お前のTwitterアカウントは 削除した」
は?…え?嫌がらせにしては変な内容でした。まあコラボ会場も静かなんでちょっとTwitterを開いてみたんですよ。……無かったんです、僕のアカウント。冷や汗で背中びっしょりでしたね…なんだこの嫌がらせは、不正アクセスで普通に犯罪じゃないか、と。
とても嫌な感じでした。だってLINEはリア垢で、僕がVtuberをやっている事はリアルでは誰も知らないはずなんです。犯人に全く心当たりがありませんでした。
僕はパニックになり、“何か”が来る可能性のあるコラボのコメント欄を封鎖し、それでかつコラボ相手に何も悟られないよう適当に相槌をかまし、必死に考えました。誰だ、誰がこんなことをする。遊びじゃ済まされないぞ、と。
そこでディスコードの通知音がしました。嫌な予感、慌ててディスコードを開いてみるとメッセージが。

「LINEのアカウントも削除した お前を見ている」

誰が?どこでだ。パニック状態です。このコラボをみて僕がパニックになっているのを楽しんでいるのか?LINEはアカウントどころかアプリを開くことすらできません。きっと消されたんだ、あいつは僕のアカウントを乗っ取って僕を弄んでいるんでしょう。
僕は怖くなりました。もしかしてディスコードも乗っ取られるのではないか。そう思い慌てて知り合いのVtuber、具体的に言うと同じコラボの別の部屋にいる方へメッセージを送りました。「乗っ取られている」と。
送信した瞬間、ディスコードが落ちました。
そこで僕は一度冷静になり、これは乗っ取りなのか?ただの乗っ取りがディスコードを落とすことなんかできるのか?と思考を巡らせるのです。これは僕の所有する全ての端末が遠隔操作されているのではないか、という結論に至りました。
なぜ僕のような底辺Vtuberをターゲットにしたんだ、嫌だ、助けてくれ。もう回線を切るしかない。そう思いパソコンからLANケーブルを引き抜こうとした時、“それ”が目につきました。
僕のマウスカーソルが、絵を書く所に文字を描いていたのです。

お前を 散らす 許さな

ズッ!
LANケーブルを引っこ抜きました。
許さない、の「い」を書いている途中のマウスカーソルはそこで止まりました。
良かった、やっぱり遠隔操作されていたんだ……!携帯の電源も落とし、糸が切れたかのように椅子に深く倒れ込みました。コラボは結局中断してしまったし、本当に申し訳なかったな……等、色々な思いを巡らせていました。
携帯やインターネットの会社に相談しよう、そう思い固定電話の置いてあるリビングに行こうと立ち上がり、後ろを向きました。

そこで僕は気づいたのです。


僕は、“見られていた”事に。