“塊”も波になった——原子7000個級で猫状態のサイン
2025.09.19 19:00:09 FRIDAY
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/185318
>>オーストリアのウィーン大学(University of Vienna)で行われた研究によって約7000個もの原子でできたナトリウムのナノ粒子を使った実験で、粒子がまるで波のように同時に複数の経路を進み、その結果として干渉縞(波どうしが重なり合って作る縞模様)を作り出すことを確認しました。
>>さらに研究チームは、粒子がどれほど大きくても量子のふるまいが維持されるかを示す指標「巨視性(マクロスコピシティ:μ)」を測定しました。
>>その結果、2019年に発表された分子干渉実験(μ=14.1)を超え、過去最高の巨視性 μ=15.5 を記録しました。
>>この成果は、量子力学が適用できる物質の大きさの限界を大きく押し広げるものであり、「量子の不思議」は私たちが考えていたよりもずっと身近な世界にまで通用していることを示しています。では、いったいどこまで大きな物体に量子の世界のルールは適用できるのでしょうか?
>>研究内容の詳細は2025年7月28日に『arXiv』にて発表されました。
>>元論文Probing quantum mechanics using nanoparticle Schrödinger cats
>>量子力学の世界では、電子や原子のような微粒子は波と粒の二重人格を持ち、観測するまで複数の経路を同時に進むことが理論的にも実験的にも確認されています。
>>原子一個を使って「半メートル」ほどの距離で波のような状態に広げたり、巨大な分子が波のように振る舞って干渉を起こす実験も実際に成功しています。
>>最近では、16マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1グラム)という、目には見えないけれど原子よりはるかに大きい機械の一部を使って、「シュレーディンガーの猫」と同じような状態を作り出すことに成功しました。
>>干渉計の最後に配置した検出器を横方向に走査すると、粒子が通過した位置に強弱のある縞模様が現れました。
>>これはクラスター粒子が同時に複数の経路を通ったことを意味し、量子力学が予測する自己干渉パターンそのものでした。