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具体的には、アクティブ・ローターが回転すると、その表面付近の流体が引きずられ、隣接するパッシブ・ローターの表面に対して「微細な流体の歯」のように作用する。この流体の圧力が、パッシブ・ローターを「逆方向」に回転させる。
これは、2つの通常の歯車が噛み合って回転する際、一方が時計回りなら他方は反時計回りに回るのと全く同じ挙動である。つまり、流体が物理的な歯の代わりを果たし、正確な動力伝達を実現しているのである。
2. ベルト・モード(Belt/Pulley Mode):同回転の伝達
一方、円柱同士の距離を離す、あるいは回転速度を特定の条件まで上げると、流体の挙動は劇的に変化する。
この条件下では、流体は個々の円柱の間で渦を巻くのではなく、2つの円柱全体を包み込むような大きなループ(循環流)を形成し始める。あたかも、2つのプーリー(滑車)に「見えないベルト」が掛けられたかのような状態だ。
この「流体のベルト」に引かれる形で、パッシブ・ローターはアクティブ・ローターと「同じ方向」に回転を始める。従来の機械工学において、歯車の回転方向を変えるには、間にアイドラー(遊び車)を挟むなどの物理的な構造変更が必要だったが、流体ギアでは単にパラメータを変えるだけで、回転方向すら制御可能であることが示されたのだ。