姫野直行2025年12月27日 12時01分
寿命について考える「平均寿命サミット」が11月22日、11年ぶりに長野市で開かれた。参加したのは、半世紀以上の間に移り変わった「長寿県」と、不動の「短命県」の関係者たちだ。
沖縄「年の順に死んでいかない島」に
都道府県別平均寿命は1965年から5年ごとに国が公表している。かつて長寿県の代表格だったのは沖縄。72年の返還後の75年から記録があり、女性は75年から2005年まで7回連続で1位。
男性も1980年と85年で1位だった。伝統的な食事文化や楽天的な県民性、温暖な自然環境が長寿につながったとされる。
しかし、男性はどんどん順位が下がり、2015年には36位、20年には43位にまで転落した。女性も20年には初めて二桁の16位となった。
原因は、働き盛り世代で生活習慣病などが増えて死亡率が高まったことという。糸数公・沖縄県保健医療介護部長は、2015年と1985年の1年間の地元紙2紙の故人が20~69歳の死亡広告を分析。故人の親が存命で掲載される割合は27.4%から54.8%にほぼ倍増。
糸数さんは「長寿を誇る高齢者と短命傾向にある働き盛り世代の同居」が起きていると指摘。その結果「年の順に死んでいかない島」になっているとした。
首位陥落の長野、若年世代の死亡率に課題
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サミット大会長「順位ではなく背景に注目を」
https://www.asahi.com/articles/ASTDV319MTDVUBNB002M.html
