光速の次は“出力の壁”――― 10⁵²ワットで時空が悲鳴を上げる理由
2025.06.11 18:00:04 WEDNESDAY
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/179360
>>光の速度には越えられない上限があるように、この宇宙には「出力」(一定時間あたりに放出できるエネルギー)の上限、いわば“パワーの壁”が存在するかもしれません。
>>ドイツのエアランゲン=ニュルンベルク大学(FAU)で行われた研究によって、光速に次ぐ“宇宙の絶対ルール”として、重力波などが放てるエネルギー出力には約3.63 ×10⁵²ワットという上限値(プランクパワー)が存在し、それを超えようとすると時空が自ら破綻する可能性が浮かび上がりました。
>>相対性理論が定める速度の壁を誰も破れないのと同じように、爆発的天体現象やブラックホール合体さえもこの“出力ブレーカー”を越えられないとすれば、ビッグバン直後の宇宙でさえ守られた新しい安全装置が隠れているのではないでしょうか?
>>研究内容の詳細は『Classical and Quantum Gravity』にて発表されました。
>>光速が「移動の速さ」を封じ込める壁だとすれば、プランクパワーは「エネルギー放出の速さ」を封じ込める壁――つまりパワー版・光速制限に相当するのです。
>>この“出力の壁”は4 次元の宇宙(縦・横・高さ+時間)だからこそ意味を持つことも分かりました。5 次元以上の仮想宇宙では、長さのスケールが絡んでしまい、同じような普遍的上限をきれいに導けません。私たちの宇宙が4 次元である事実そのものが、プランクパワーという上限を自然に生み出している――それが今回の理論計算の示すところです。
>>しかしヴィーラント博士は、このプランクパワーを超える連続スペクトルの状態は物理的に実現不可能であると結論付けました。