2025.04.13
タイタニック号「沈没」から113年…、4万6000トンの鉄の塊を「あと30年で食べ尽くす」生物がいた…、ところが、鉄より「2倍おいしい」金属が他にある、という驚きの事実

桜井 弘




金属なくして、生命の誕生も進化もありえなかった!

鉄やカルシウムが重要なのは常識ですが、私たちの体内には、他にもマグネシウムや亜鉛、銅やマンガン、モリブデンなどの金属元素が含まれています。

これらの金属は、体内にわずか1%以下しか存在しない微量元素ですが、「微量」の名前とは裏腹に、多種多様で、きわめて重要な役割を果たしています。いったいどんな役割なのでしょうか?

そして、「多すぎ」ても「少なすぎ」ても、体調に異変をきたす理由とは?

生命と金属の奥深い関係を解き明かす話題の本『生命にとって金属とはなにか』から、読みどころを厳選してお送りします!





「タイタニック」号を食べる細菌

「タイタニック」号が見舞われた悲劇については、みなさんよくご存じだろう。

初航海中の1912年4月14日深夜、北大西洋上で氷山に衝突した同船は、翌日未明にかけて沈没し、1500人を超える犠牲者を出した。その船体は今もなお、海底に沈んだままである。

1991年に海底の残骸などが調査された際、オレンジ色の酸化水酸化鉄(II)と赤色の酸化鉄(III)からなる「ラスティクル」という物質中から、多数の微生物が見つかった。ラスティクルとは、鉄錆(てつさび)でできた“つらら状”の構造物で、海底に沈む難破船の残骸などによく見られるものである。

タイタニック号のラスティクルから見つかった微生物のうちの一つが、鉄酸化細菌であることがわかり、「ハロモナス・ティタニカエ(Halomonas titanicae)」と名づけられた。

https://gendai.media/articles/-/148781
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