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「イプシロンS」のエンジンの地上燃焼試験中に起きた爆発(14日午前9時頃、秋田県能代市で)=大塚実さん提供

14日午前9時頃、秋田県能代市の宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )能代ロケット実験場で、新型の固体燃料ロケット「イプシロンS」の第2段エンジンの地上燃焼試験中に爆発が起きた。職員らは退避していたため、けが人はいないという。JAXAは詳しい事故原因の究明を進める方針。2024年度に予定されている初号機の打ち上げに影響する可能性がある。

焼試験中、実験棟に火が移り、地元消防によると、消防車両11台などが出動して消火活動にあたり、午前11時1分に鎮火した。

全長27メートルで3段式のイプシロンSは、国産基幹ロケット・イプシロンの後継機として、JAXAとIHIエアロスペースが開発を進めている。イプシロンは昨年10月に6号機の打ち上げに失敗し、運用を終えている。

計画では、第2段エンジンを約2分間燃焼し、部品にかかる圧力や温度、ひずみなどを計測する予定だった。JAXAによると、点火から57秒後に異常が発生。その後、爆発が起きたとみられる。第2段エンジンは、推進力を上げるため、イプシロンに比べ大型化している。

試験を見学していた能代市地域おこし協力隊の女性(32)は「思いがけないことが起きた」と声を震わせた。女性はJAXAの職員や報道陣ら約30人とともに、現場から約600メートル離れた場所から様子を見ていた。エンジンが燃焼を始めた約1分後、「パーン」という破裂音が響き、その直後に周囲が燃え始めたという。

2023/07/14 11:35
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