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2023/06/17 11:00

確実に繁殖を成功させなければならない重いプレッシャーがのしかかる
PRESIDENT Online
田島 木綿子
国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹

動物たちが子孫を残そうとする生殖本能はすさまじい。生物学者の田島木綿子さんは「多くのオスにとって最も重要なのは、メスのゴーサインと同時に自分の生殖器が直ちに使える状態になり、交尾に移行できること。野生の環境下では、交尾できるチャンスは限られており、その中で、確実に繁殖を成功させなければならないというプレッシャーがのしかかる」という――。
※本稿は、田島木綿子『クジラの歌を聴け』(山と溪谷社)の一部を再編集したものです。



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野生動物はいつ襲われてもおかしくない状況で交尾する

交尾する際の主導権と選択権は圧倒的にメスにあり、多くの生物のオスはメスの気を惹くために飽くなき作戦を企てている。

一方、メスはメスで、生存力の強い遺伝子を我が子に取り込む最適のオスを選択しようとこちらも必死である。

オスの努力がメスの思惑と一致し、やっと交尾できるチャンスを得ても、オスの試練はまだ続く。多くのオスにとって、交尾するときに最も重要なのは、自分の生殖器がメスのゴーサインと同時に、直ちに使える状態になり、交尾行動に移行できることである。

野生の環境下では、交尾できるチャンスはごく限られており、その限られたチャンスの中で、確実に繁殖行動を成功させなければならない。最大のプレッシャーがのしかかる。

さらに追い打ちをかけるように、いつ天敵が襲ってくるかもしれず、他のオスが横取りを企んでいるかもしれない。はたまた、急にメスの気持ちが変わってしまうことだってありうるのだ。






オスにかかる「限られたチャンスをものにせよ」という重圧
https://president.jp/articles/-/70512