昼夜なく研究を続け、成果もあげてきた。それなのに「10年経ったからいらない」と言われる。そんな理不尽なことが、日本の各地の大学でまかり通っている。

10年前、東京大学の特任教授に採用された男性は、今年度末で「雇い止め」となる。10年契約の非正規の教員だからだ。

 2013年4月施行の改正労働契約法などで、研究者の有期雇用が10年を超えた場合は無期雇用への転換を求められるようになった。だが国から大学への補助金が減り、人件費も減る中、この権利を手に入れる直前で契約終了となる研究者が相次ぐ。今年度末で有期雇用の契約が10年となる研究者は国立大学だけで3099人に上る。

 男性は学部の教授から「残念だが、他の大学に出てくれ」と告げられた。25の大学や研究機関に応募したが、門前払いばかり。ポストが限られる中、同じ立場の研究者が殺到していることがうかがえた。

 「中国から好待遇でオファーが来たら、行くことも考えました」

 日本でポストを得られないなどの理由から、中国に渡る研究者の姿を描いた「『頭脳流出』 研究者はなぜ中国へ」というデジタル連載に、デスクとしてかかわった。

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