https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/16/Papilio_elwesi.jpg
シナフトオアゲハ
このチョウは後翅の尾状突起に2本の翅脈が入っている点で
殆どのアゲハチョウと違う
シナフトオアゲハは中国に分布するが、
より赤い色が鮮やかでちょっと小さいフトオアゲハPapilio marahoが
台湾に分布する
フトオアゲハはかつては世界で6頭しか見つかっていない!と言われ、
故北杜夫氏の初期の小説「谿間にて」で、これを台湾で見かけて
捕まえようと奮闘、いや熱病にうなされて山を彷徨う採集人の物語が
描かれている

シナフトオアゲハの方は個体数がそこそこいて標本も一応購入可能である
そしてシナフトオアゲハを出したのは、ユーラシアで大きなPapilio属、という事なのだが
これが時々かなり大きいのが見つかり、綺麗に標本として整えて145mmなんてのがいたりする
多分15㎝オーバーも十分にいるのだろう

しかしこれも餌がミカン科でもセリ科でもなくクスノキ科のタイワンサッサフラスという植物である
各種の特徴からフトオアゲハの2種はPapilioでなくAgehana属とされる事もあった

サッサフラスという植物は北米の南部に分布する
クスノキ科では例えばタブノキは枝や葉から粘液が採れるのでこれを使って線香を練り固めるのに使われたが
サッサフラスも粘液が多く、アメリカ南部のケイジャン料理でガンボというスープ風の料理で
サッサフラスを入れてとろみを付ける(最近ではオクラを入れる方が多い)
北米とユーラシア東部では類似の植物が案外見られるのだが、これもその1つである