日本国内だとカラスアゲハやミヤマカラスアゲハは分布の北限近くで大きく美しくなると言われがちである
しかし北海道東部だと綺麗なのだが、北海道北部だとやや地味になると評する人がいる

これらのチョウはユーラシア東部にかなり広く分布する
しかしミヤマカラスアゲハと同種であると分かったシナカラスアゲハなどは緑の鱗粉が非常に少なく
後翅に白い紋があって赤い紋も多く、要するに有毒なジャコウアゲハに擬態している

カラスアゲハの方は必ずしも北の方ばかりが綺麗という訳ではなく
八丈島のものなども美しい
だが例えば九州の個体などはやや茶色い部分が増える

沖縄や奄美には別種のオキナワカラスアゲハがいる
更に八重山のものもヤエヤマカラスアゲハとして別種になってしまった

カラスアゲハに非常に近いとされる、東南アジア大陸部にいるクジャクアゲハという種類がいて
これなどは乾季の激しい地域だと黒い部分が多いが
タイ・カンボジア国境沿岸山地にいるものなどは後翅に大きなくっきりとした青緑色の紋が出て
これがカラスアゲハの系列では最も美しいものの1つ、とされる
ミヤマカラスアゲハの最も美しいものが北海道東部、カラスアゲハ系の最も美しいものが
タイ東南部にいる、という事になる(インド東部の雨量の多い森林地帯にいるものも青緑の紋がはっきりしている。
世界で最も犠牲者を出したトラがいたクマーウン地域にも、このようなクジャクアゲハが見られる)