東京大学の研究チームはコンクリートのがれきを100%リサイクルできる技術を開発した。がれきの粉末を圧縮し高温高圧で蒸すことで、より強度の高いコンクリートへ再生させる。原料のセメントの追加が不要なため、セメント製造時に発生する二酸化炭素(CO2)を削減できる。工場で固めて現場に運ぶプレキャストコンクリートなどの建築材料で実用化を目指す。

一般的なコンクリートはセメント、砂、砂利に水を加えて製造する。リサイクルするには、砂と砂利だけを取り出して新たにセメントなどを加えていた。セメントの製造では多くのCO2が発生し、全世界のCO2排出量のうち8%を占めるという試算もある。新技術はセメントを加える必要がないため、脱炭素につながると期待される。世界的に不足している砂や砂利の使用量も減らせる。

新技術ではまず、粉末にしたコンクリートのがれきを圧縮して成形する。水蒸気で満たした180度の容器に入れて約10気圧の圧力をかけたところ、一般的なコンクリートの約2倍の強度になった。原料同士の隙間が減少したり未反応のセメントが反応したりすることで、強度が高まったと考えられるという。従来のリサイクルコンクリートは、建築材料などに使える十分な強度が得られなかった。

今回は数センチメートルほどの小さな材料で試した。今後は大型の材料で技術の確立を目指すほか、リサイクルコンクリートに鉄筋などを組み合わせて使う方法も検討する。研究チームの酒井雄也准教授は「5年後にも大型の建築材料で使える技術を確立したい」と話す。

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