トランジスターを作り出したベル研のショックレーたちは
成功するまでに15年間を要した。彼らが最初に作ろうと
していた固体半導体増幅器は今の言葉でいえばトランジスタ
ではなくて、むしろ真空管に近いFETに相当するもので
あったが、当時の半導体の不純物の純度や半導体表面の状態が
悪くて、ちっともうまくできなかったのだ。そのために
いつまでたっても作れなかった。そうして、何が起きているかを
調べるために、半導体表面に検査の針を立ててやっているうちに、
弱いながらも増幅作用があることを発見。点接触トランジスタの
誕生だった。もしも研究10年で解散していたら、トランジスタは
ベル研では作れていなかっただろう。