リチウムイオン電池は強い衝撃や圧迫などで短絡(ショート)すると、金属の集電体に一気に
大電流が流れる。500度以上にまで過熱し、発火などの事故に繋がるリスクがある。これに
対して、全樹脂電池は「金属部材の代わりに抵抗の大きな樹脂を用いているため、短絡が
起きても一気に大電流が流れることはなく、安全性が非常に高い

リチウムイオン電池は材料の調整からモジュール化まで約20の製造工程を経るが、全樹脂
電池は製造プロセスがシンプルで工程数は約半分。設備投資の負担も軽く、量産時には大幅な
コスト低減余地があるという。

全樹脂電池は従来型のリチウムイオン電池よりもさらにエネルギー密度が高く、2倍以上の
電池容量を実現できる。加えて、電極の厚膜化が容易で、セルの大型化や形状の自由度が高い