今回、研究チームが開発した抗がん剤「MIRX002」には、マイクロRNAが利用されています。
このマイクロRNAは人の体内で合成されるもので、遺伝子の発現を調整することでさまざまな
生命現象を制御してくれます。
そしてがん患者の体内では、がんによる遺伝子異常によりマイクロRNAの発現が低下しています。
そこにMIRX002を投与してマイクロRNAを補充。
これにより、遺伝子の異常な働き(がんの増殖)を抑制できるのです。
またがん細胞を根絶するには、がんの親玉である「がん幹細胞」を死滅させなければいけませんが、
MIRX002にはその能力があるとのこと。
これによりがんの完治につながる可能性があります。
さらにこの新薬は、正常な細胞とがん細胞を明確に区別できるため、副作用のリスクが極めて
少ないと考えられています。