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ドブニウムは1967年に発見された、原子番号105番の元素。
核融合反応で人工的に生成できるが、生成率が5分当たり1個と低いことと、寿命(半減期)が約30秒と短いため、実験で扱うのが難しく、その化学的性質は明かされていなかった。

 研究チームは、同機構の加速器を使ってドブニウムを合成し、独自に開発した分離装置によってドブニウムの純粋な化合物を分離。
この化合物と、ドブニウムと同じ周期表第5族の元素(ニオブやタンタル)の化合物について、気体になりやすさを比較したところ、ドブニウム化合物の揮発性が予想よりも高かったという。

ドブニウム化合物の揮発性が高かった理由について、研究チームは「ドブニウムが持つ強い“相対論効果”の影響で、『電子を放出しやすい』という金属的な性質が薄まったことが原因」と考察している。

 相対論効果は、原子核の周りを回る電子の運動速度が光速に近づくにつれ、相対性理論に基づいて電子軌道が変化すること。
ドブニウムのように重い元素ほど相対論効果が強くなり、周期表から予想される科学的性質を持たない可能性が高まるといわれている。