タスマニアデビルの「死の病」伝染性がん、再生産数が激減、風土病レベルに

■8割を死なせた恐ろしい伝染性のがん、病原体の遺伝子で解析

 世界を混乱に陥れている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の報告から、1年が過ぎた。
 その間、感染症について多くの議論が繰り広げられてきたが、オーストラリアのタスマニア島に暮らす体長80センチほどの肉食有袋類、タスマニアデビルは30年もの間、恐ろしいパンデミックに苦しめられている。

 噛まれると伝染する顔のがん「デビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)」だ。
 他のがんと異なり、DFTDではがん細胞自体が伝染し、感染すると海綿状の口内炎を引き起こして口がただれ、やがて餓死する。
 致死率はほぼ100%だ。

 DFTDにより、タスマニアデビルは14万頭から約2万頭にまで減った。
 タスマニアデビルは気性が荒く、繁殖期や主食である動物の死骸を争う際に、互いに噛みつくことが多い。
 おかげで、DFTDは簡単に広がる。ただでさえ絶滅が危ぶまれるなか、DFTDがタスマニアデビルを絶滅に追いやるのではないか、と多くの専門家が憂慮している。

 しかし、12月11日付けで学術誌「サイエンス」に発表された論文で、珍しくも明るい兆しが示された。
 DFTDが初めて確認された時に比べ、実効再生産数が大幅に減少し、タスマニアデビルがこの病気と共存できる可能性が示唆されたのだ。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

ナショナル ジオグラフィック日本版 12/14(月) 18:33
https://news.yahoo.co.jp/articles/2565bf827390186bb88758cd57c7656fd030f029