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300 :日本昔名無し:2013/04/29(月) 22:09:49.83 .net
円城塔 著 『Self-Reference ENGINE』

線分の上に適当に点を打つ。無限個。
どこまでも、腕が疲れ果てても、この宇宙がそうであるように点を打ち続ける。
どんな風に打っても、ある程度以上離しては点を打てない距離が存在する。
どれかの点から離して打とうとすると、他の点に近づいてしまうようなそんな距離が存在する。
多分これだ。リタは無意識に片手を伸ばして、その一文を空からもぎとってみせた。
「お互いに限りなく似通った無限人の人間が存在する」
(中略)
疲労感に包まれながら、リタは考える。
祖父は、限りなく似た人間の存在するほとんど全ての人、に含まれているのだろうか。
(中略)
祖父は、自分にはどうしようもないこととして、
自分もまたほとんど確実に無限人の人に似ているだろうということを受け入れていただろうか。
そんなことは関係ないと、超然としていられたのだろうか。
ほとんど確実に、とリタは呟いた。
確率一で、とリタは呟いた。
そしてリタは、祖父がリタに何を伝えたかったのかをようやく本当に理解したと信じた。