新型コロナウイルスは、人が密集した場所、または換気の悪い部屋の空間に長時間残存することが、新たな研究で明らかになった。新型コロナが超微細な霧状の粒子であるエーロゾル(エアロゾル)を介して広がるという見方を裏付ける内容だ。

  研究によれば、中国・武漢にある2つの病院において、トイレや大人数を収容する屋内のスペース、医療従事者が防護具を外す部屋の空間に新型コロナの遺伝物質の粒子が浮遊しているのが見つかった。同研究では、エアロゾルが感染を引き起こし得るかどうかについての立証は試みていない。研究は27日付の「ネイチャー・リサーチ」に掲載された。

  新型コロナの空気感染の問題については、これまでも議論が行われてきた。世界保健機関(WHO)は、7万5000余りのケースから空気感染は報告されなかったとする中国の分析を挙げて、感染リスクは特別な状況に限定されると説明している。

  今回の研究では、医療従事者が防護服を脱ぐ部屋で特に高い濃度のエアロゾルが確認された。これは医療従事者がマスクや手袋、ガウンを外す際にそれらに付着した汚染物質の粒子が再び空気中の浮遊物となったことを示唆している可能性がある。

  研究結果から、換気や混雑緩和、丹念な消毒作業の重要性が浮き彫りになったと、研究者らは指摘している。

原題:Coronavirus Lingers in Air of Crowded Spaces, New Study Finds(抜粋)

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ie59z7i5L2BQ/v0/1000x-1.jpg

Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-27/Q9G71LDWX2R301