中国科学院の研究チームは、雌マウス同士と雄マウス同士から、それぞれ子供が誕生したと発表した。

生殖の原則を破るには、遺伝子操作の技術を駆使する必要があった。

研究チームによると、母親2匹から生まれた子マウスは健康で、自らも無事に出産したが、雄同士はそうはいかなかった。

父親2匹から生まれた子マウスは、誕生から数日の内に死亡した。

■そもそもなぜわざわざ

研究チームは、そもそもなぜ我々は性行為に及ぶのかという根本的な疑問に答えようとしていた。

人間を含むほ乳類は、両性生殖でしか赤ちゃんを作れない。つまり、ママの卵子とパパの精子が必要だ。

しかし、それ以外のほ乳類に同じルールはあてはまらない。一部の雌の魚類も爬虫類も、両生類も鳥類も、自分だけの単為生殖ができる。

処女生殖、単為発生とも呼ばれる、奇妙な世界にようこそ。

中国の研究チームは、同性の両親から子マウスを作るには、生殖のどのルールを破る必要があるのかを見極めようとした。

そうすることによって逆に、なぜルールが非常に重要なのかが分かるというわけだ。

フランシス・クリック研究所のロビン・ロベル=バッジ教授は、「興味深い論文だ(中略)人間をシチメンチョウにするには、何をどうしたらいいのか解明しようとしている」と評価する。

(そう、クリスマスに食べるあの鳥も、性行為なしで生殖できるのだ)

■じゃあいったいどうやって

手短に言えば、最先端の科学技術をたくさん駆使して。

ママ同士の方が簡単だった。研究チームは、マウス1匹から卵子を取り出し、もう片方から、特別な細胞(半数体の胚性幹細胞)を取り出した。

どちらの細胞にも、必要な遺伝情報ないしはDNAは半分しか入っていないが、両方をあわせれば足りるというわけではなかった。

研究チームは、遺伝子編集技術を使い、より適合しやすいよう、3つの「刷り込み領域」を削除した細胞を作った(あとでもう少し説明する)。

パパ同士のやり方は、もう少し複雑だった。

精子と、雄の半数体の胚性幹細胞、遺伝物質をすべて取り除いた卵子、さらに7つ遺伝子を削除する必要があった。

■ルールを破って学んだのは

11日の米科学誌セル・ステムセルに 発表された今回の研究は、なぜ私たちがセックスをする必要があるのかについて、DNAの働きに性差があるからだと示唆している。ママからもらったDNAか、パパからもらったDNAかで、作用の仕方が異なっているというのだ。

女性版と男性版がなければ、我々の発展などあり得なくなる。

これは「ゲノム刷り込み」という仕組みで、精子の中のDNAの一部と卵子の中のDNAの一部が、それぞれ機能の仕方を変える「スタンプ」を押される。

ゲノム刷り込みの異常が、アンジェルマン症候群などの原因だと言われている。

今回の研究では、同性親から子供が生まれるようにするため、ゲノム刷り込みのあった領域をDNAから削除する必要があった。

実験を行ったウェイ・リー博士は、「この研究から、何が可能なのかが分かる。二重の母親から生まれたマウスの欠陥は取り除くことができるし、ほ乳類において、二重の父親による生殖のバリアも超えることができる」と話す。

https://ichef.bbci.co.uk/news/590/cpsprodpb/0D00/production/_103782330_182387.jpg

https://www.bbc.com/japanese/amp/45834252