じゃあ、もしロケットを気球で高度10000mに持ち上げて、自転車なみの速さ時速30kmで切り離してスタートさせたら、
切り離し時の時刻0秒と高度10000mがMAX-Qのポイントになるかというと、そうなる
初期の空気抵抗も小さいまま、どんどん小さくなる

ならば、最初からロケットの出力を絞ってゆっくりと打ち上げればいいかというと、それはできない

ロケットの燃費は比推力と呼ばれ、km/リッターではなく秒数で表されるが、
重さ1トンの燃料を1トンの推力で空中に浮かんだまま静止させておくと、飛ばないまま燃料が尽きる、このときの秒数を燃費としている
(燃料は継ぎ足して軽くならないようにする)

つまり、時間をかけてゆっくり浮かんで少しずつ加速すると燃料を大量に消費してしまう
自重をゆっくり空中で支える時間が長いほど非効率になる、これがロケットだ

だから、通常はMAX-Q時点で大きな抵抗を受けてでも、地上から大きな加速度をかけて突破したい


これをしないで、空気抵抗に余計な燃料を使わずに高高度から打ち上げられるのが、飛行機ブースターのロケットというアイデア