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■韓国の「桜の起源」主張はかつて仮説が存在

人工栽培の桜の起源をめぐる日韓の争いについては、日中のそれとは異なる。まず、韓国人が主張しているのはソメイヨシノの起源だけであり、中国の一部の専門家のように「食欲旺盛」で、すべての桜の起源を主張しているわけではない。そして、韓国人のこの主張は確かに科学的な仮説として存在したのだ。

韓国の済州島と全羅南道南部には野生の「王桜」があり、形はソメイヨシノと非常によく似ている。そのため、1932年に日本の植物学者・小泉源一氏が「ソメイヨシノの起源は王桜」との仮説を立てた。しかし、その後、ソメイヨシノがオオシマザクラとエドヒガンザクラをかけあわせたものであるという証拠が次々と見つかった。2007年には分子研究の結果、王桜とソメイヨシノは別の種であると証明されている。この時点で、小泉氏の仮説は完全に歴史の遺物となり、これを再び持ち出すことはまったくもって科学の精神に反する。

桜の起源を簡単に説明せよと言われれば、「桜の起源は日本であり、他国は口出しするな」としか言いようがないのである。

■中国はどんな花見文化をつくるべきか

人工栽培の桜の起源は日本だが、現代の「花見文化」の起源が日本にあることはさらに疑いようがない。日本は奈良時代、中国文化の影響を色濃く受けており、中国から伝わった梅の花をめでる習慣があった。しかし、平安時代から日本は自国文化を徐々に発展させ、桜が梅に代わり日本人が最も好む春の花になっていった。戦国時代、日本人は、短時間に咲き、あっという間に散っていく桜に、短命な武士の姿を重ねた。そして、桜は日本の実質的な「国花」のような位置づけになっていく。

中国には32種の野生の桜があり、そのうち25種が中国固有種とされる。その数は日本の野生種よりも多く、開発すれば優れた品種が生まれるだろう。だが、新たに開発した品種であれ、日本から引き入れた品種であれ、最も良い宣伝はわざわざ伝統や文化と結び付けないことだ。桜はもともと自然から生まれ、自然の美しさがある。浮世の情に浸る中国人はそうした重荷を下ろし、純粋に大自然のきらめきを楽しんではどうだろうか。

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