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黒死病にはそれほど大きな歴史的インパクトがあったとは思わない。ゾロアスター教が滅亡する時期に近いが、関連性はおそらく無い

当時のペルシャ帝国は、東ローマ帝国と雌雄を決しなければならない状態どころか古くから続けていた北方の蛮族に備え、文明国どうしで協調すべき情勢だった

ペルシャ王ホスロー1世は、封建諸侯の力を奪い取り中央集権的な官僚制度と巨大な常備軍をもつ
ことで戦争を有利に運べるようになったが、過剰な軍事費や莫大な公共事業の維持のために財政を圧迫し、帝国が崩壊する原因を作ったともされる
またホスローは全方面で敵を作り続けた。テュルクと比べたら文明らしき痕跡のあるエフタルを滅ぼしたが、邪魔するものがいなくなりペルシャのシルクロード利権
に集中できるようになったテュルクと後に通行税をめぐって正面衝突することになる

地政学的にテュルクを牽制し緩衝材となりえたエフタルを滅ぼしたことで、東ローマ帝国とテュルクから両バサミになったし、強大化したテュルクとも
長期戦を戦うことになる

東ローマ帝国の東方教会は、プラトンの二元論に近い科学とは縁遠い東方風の教義であり、東方教会がイタリアを制圧し続けたら西欧でこれほど短期
に科学が発達することはなかっただろう。西欧にとっては、東方教会の衰退は良い面に作用したと言えるが、ペルシャ帝国はホスロー1世の負の遺産によって全方向
で長期消耗戦を繰り広げたことによって徐々に弱体化し、イスラムによる征服を許すことになる