ツルが何メートルも木を登るランがある。葉っぱがなく、光合成をしない代わりに、
木に付いている様々なキノコを「食べる」ことで巨大化する――。そんな仕組みを佐賀大の辻田有紀准教授らが明らかにした。

 この奇妙な植物は「タカツルラン」。自らのツルと根を、巨木の幹に張り付けて登る。
その高さは最大10メートルにもなる。

 光合成をせず、根に共生する菌類から栄養を得る陸上植物はあるが、その多くは数センチ〜数十センチほど。
世界最大というタカツルランが、どのように巨体を維持しているかは謎だった。

 辻田氏らは、タカツルランの根を調べ、37種もの菌類を見つけた。
そのほとんどがサルノコシカケ科など、タカツルランがよじ登る木を分解するキノコの仲間(木材腐朽菌)だった。

 同様の植物は、共生する木材腐朽菌の種類が限られており、
タカツルランのように多数の木材腐朽菌と共生する植物は知られていなかったという。
巨体を維持するには、たくさんの菌が必要とみられる。

 木を「食べる」キノコを「食べる」タカツルラン――。
なぜ木を食べる多くの菌と共生できるかは不明だが、辻田氏は「例えるなら『猛獣使い』。
(自らを襲うかもしれない)トラだけじゃなく、ライオンもクマも来いという感じ」と話す。

■画像
木をよじ登るタカツルランのツル=鹿児島県屋久島町の口永良部島
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180507001565_comm.jpg
タカツルランの花=沖縄県の沖縄本島
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180507001585_commL.jpg

朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL573S26L57TTHB007.html