●莫大な投資にもかかわらず結果が伴わなかったアルツハイマー病の研究

 アメリカに本拠地を置く大手製薬会社ファイザーは、
莫大な研究費を投資したにもかかわらず結果が出なかったとして、
アルツハイマー病の治療薬開発を断念すると発表した。
これに伴い、アンドーヴァー、ケンブリッジ、マサチューセッツ、
コネチカットにある神経科学部門の300人の研究者が解雇される予定だという。
また、アルツハイマー同様、研究結果が芳しくなかったパーキンソン病の薬剤開発も打ち切られる予定だ。

●メルク製薬会社に続く敗北

 ファイザー社がウォール・ストリート・ジャーナルに語ったところによると、
アルツハイマー病とパーキンソンのための薬剤開発は、
研究投資に見合うだけの満足した結果が得られず今後は研究資金を別の疾病の新薬開発に転換する予定だという。

 世界中でパーキンソン病に苦しんでいる患者は、何千万人にも及ぶといわれている。
しかし、製薬会社の研究にもかかわらず満足いく結果は現在まで出ていない。
ファイザー社は、昨年に製薬会社メルクがアルツハイマー病治療薬の研究を断念したのに続くことになった。

●研究の失敗のツケは300人の研究者解雇へ

 さらにファイザー社は、研究センターがあるアンドーヴァー、ケンブリッジ、マサチューセッツ、コネチカット州グロットンに勤務する300人を解雇する予定だ。ファイザー社は、アルツハイマー病とパーキンソン病の新薬開発はストップするが鎮痛剤や神経系疾患の新薬研究は続行するとしている。

●数々の製薬会社が失敗を重ねてきたアルツハイマー病治療薬
 過去10年間、各製薬会社が行ってきたアルツハイマー病治療薬の開発は、ことごとく失敗に終わっている。

 2017年末、アメリカの製薬会社イーライリリーはアルツハイマー病の患者に新しい抗体医薬品を試したが、
効果は見られなかった。2012年には、ファイザー社、ジョンソン・エンド・ジョンソン、
エラン製薬会社が共同で新薬を開発したが、これも失敗に終わった。

 現在の希望は、今年の8月に研究結果が発表されるイギリスのアストラゼネカ社の新薬にかかっている。

●日本の製薬会社の研究結果は

 日本の製薬会社も、アルツハイマー病の薬剤開発に参加している。
来年には、エーザイとバイオジェンの共同研究結果が発表されるほか、
2023年をめどにシオノギ製薬とジョンソン・エンド・ジョンソンの研究も進められている。

 いずれの研究も、
アルツハイマー病の原因といわれているアミロイドベータタンパク質を分解する酵素がテーマとなっている。
これまでの研究で、
アルツハイマー病は脳のアミロイド班と神経原線維変化が関連していることはわかっているが、
その変性の根本的原因は不明のままである。

 残念ながら現在の治療法では症状の軽減はあまり見られず、
かろうじて部分的に疾患の進行を遅らせるという程度にとどまっている。

関連ソース画像
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財経新聞
http://www.zaikei.co.jp/article/20180111/420492.html