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その逆に不幸なのが競合他社の社長だ。「前例主義」の企業危機管理の世界では、高橋社長が賞賛されたことを受けて、「あれが危機発生時の理想のトップの姿です」なんてことを言い出している人が既に現れている。

それはつまり、ドコモやソフトバンクがもし同様の大規模通信障害を起こした時、それらの会社のトップたちは、高橋社長と同じくらいのタイミングで公の場に現れて、同じくらいのうまく1人で説明できなければ、「(KDDIに比べて)対応が悪すぎる」と批判されて、最悪、「無能」のレッテルを貼られてしまう恐れもある。

「こんな優秀な人に辞任してほしくない」「こういう人がいなくなったら通信業界にとって大損失だ」とネット上で褒め讃えられる高橋社長だが、同業他社の中には「余計なことしやがって」と憎々しげに思っている人もいるかもしれない。