読売新聞
2021/12/01 08:47

全国の温泉地をアニメ風にキャラクター化し、観光PRにつなげるプロジェクト「温泉むすめ」の力を借りる動きが松江市で加速している。市は7月、玉造温泉街と松江しんじ湖温泉街のキャラクターに、観光大使を委嘱。今月27日にはキャラを演じる声優2人にも観光大使の委嘱状を手渡した。「声優の人気で新たな観光客を呼び込みたい」と期待している。(阪悠樹)

温泉むすめは、キャラクター企画会社「エンバウンド」(東京都)が2016年に開始したプロジェクト。キャラを通して温泉地の魅力を国内外に発信するのが狙いだ。

これまでに作られた全国の温泉地122か所のキャラクターの中には自治体公認となったりゲームやアニメに起用されたりしたものもある。地域活性化に貢献しているとして19年には観光庁の後援も得た。

島根県内では松江、大田両市の温泉地に、特徴を反映したキャラが三つ設定されている。17年に誕生した玉造温泉街の「玉造 彗けい 」は、 流鏑馬やぶさめ と日舞の達人で出雲そば好きとされ、髪などにつけた 勾玉まがたま がシンボルだ。

20年公開の「松江しんじ湖しじみ」は、時に堀川遊覧船の船頭を務める城郭研究好きで、シジミ料理が得意とされる。大田市の温泉津温泉街には、銀細工が好きな「 温泉津佐間ゆのつさま 」が設定されている。

松江市内では玉造温泉旅館協同組合や松江しんじ湖温泉旅館協議会が19年秋以降、観光案内所や旅館、ホテルにキャラの等身大パネルを設置。市内のコンビニではキャラクターの声優が一日店長を務めるイベントも行われたが、コロナ禍で本格的な発信が難しい状況が続いた。

そんな中、市は観光資源としての可能性に着目。今年7月、観光大使を委嘱した。今月中旬には、ホテル一畑などしんじ湖温泉の宿泊施設でキャラのイラスト入りタオルの購入券付き宿泊プランも始まっている。

さらに「リアル」と「二次元」での広報を充実させようと市は今月27日、いずれも声優で玉造彗役の田沢茉純さん、松江しんじ湖しじみ役の高野麻里佳さんにも観光大使を委嘱した。

委嘱式では、上定昭仁市長が「アニメは万国共通。2人の力で松江の魅力を世界に発信してほしい」と激励。田沢さんは「声をかけてもらい、とてもうれしい」と喜び、高野さんは「第二の古里として松江を大切にし、良さをPRする」と語った。市は今後、2人を招いたイベントを開き、ファンの誘客を目指す。