しかし諸外国では、
著作物のジャンルにこそ制限を設けていないかもしれないが、
たとえば文化庁が「中間まとめ」で紹介している例を見ても、
そもそも特別な規定がなかったり、
規制がある国でも、違法化の対象は基本的には
「明確な海賊版サイトからのダウンロード」に限定される傾向にあると思われる。

「引用の要件を満たさない、著作物のごく一部の転載」など
軽微な著作権侵害にまで意図的に広く違法化の網をかけるようなことは していないようだ。

たとえばアメリカは、ダウンロード違法化に関する特別な規定を持たず、
フェアユースの基準に照らして個別の事例を判断するとしている。

「中間まとめ」で紹介されている有罪とされた判例は、
「作品の完全な市場代替物」であることが理由である。

なによりアメリカでは、私的ダウンロードに関して刑事罰の対象となるのは、
著作権者に1000ドル以上の被害額を与えた場合とされており、
そもそも軽微な私的使用が刑事罰の対象となることはないといえる。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59947?page=4