9月16日(水)朝日新聞東京版朝刊「声」欄

目覚めた私 安倍さんのおかげ   無職 中田美幸(青森県 67)

思い起こせば、第2次安倍政権が誕生するまで、私は何と政治に無知だったことか。
戦後に生れ高度成長期に青春時代を過ごし危機感が全くなかった。選挙は欠かさず
投票に行くが、誰が当選しようが誰が首相になろうが日本は変わらないとタカを
くくっていた。私が享受している自由や民主主義は空気のようになくならないと
漠然と考えていたが、そうではなかったのだ。

安倍政権下で、私の自由や主権者としての行動を制限する法律が次々と成立していった。
特定秘密保護法、改正通信傍受法(盗聴法)、「共謀罪」法、さらに集団的自衛権行使の
一部容認を含む安全保障関連法――。「日本は憲法9条があるから絶対に戦争はない」
と安易に考えていたら大変なことになるのだと気づいた。

私もこうしてはいられない。地元で長年平和憲法を守る活動をしている人たちを知り、
仲間入りした。昔の私には考えられないことだ。安倍晋三氏は首相を退き、憲法改定も
ひとまず頓挫した。しかし私は「アナザー安倍」と闘うため活動をやめない。
私のような眠れるおばさんの眠りを覚ましたこと、これこそが最大のレガシーである。
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今まで政治に無関心だったのが、安倍政権になっていきなり目覚めるとか、
あり得るか? 本当は元からプロ市民だったんじゃない?