パルス・カウンタ回路を理解する上で重要なのは1tick内の処理の順序をしっかり意識すること。まずはじめに各装置の出力信号が決定して、次に回路ネットワーク(ケーブルでつながっている部分)の信号がその合算によって決定する。
(出力をAに変換しない)普通のカウンタ回路を例に取れば初期状態では回路ネットワークは信号なしの状態なので算術回路も[信号なし]+[0]で信号なし、その他の出力端子も信号なしなので回路ネットワークも信号なしの状態が維持される。
ベルトにアイテムが流れてアイテムパルスが発生するとそのtickではベルトの出力端子からアイテム1の信号が出て回路ネットワークもその合算であるアイテム1の状態になる。
次のtickではベルトからの出力はなくなるが算術回路の[直前の回路ネットワークの信号]+[0]の出力としてアイテム1が出力され、回路ネットワークの信号もアイテム1で維持される。
ここでさらにベルトからパルスが発生するとベルトと算術回路のそれぞれからアイテム1が出力されているので回路ネットワークはその合算のアイテム2になる。
まとめるとカウンタ回路における算術回路の役割は現在の回路ネットワークの信号をそのまま演算結果として次のtickに出力することで、これに回路ネットワークの各出力を合算する機能を合わせることでネットワーク内の出力信号をtickごとに積算していくカウンタ回路となる。
ついでにいうと算術回路を条件回路に変えれば、特定の条件でカウンタをリセットする機能をつけることができる。
ここまでの話が理解できればインサータのパルスをマイナスx倍してカウンタ回路に流せば要件を満たす動作ができそうだというのは少し考えればわかるはず。
まあカウンタの説明はwikiに書いてあるし>>743にも同じことが書いてあるし、なんだったらマイナス信号の話もwikiの寿司ベルトの項目に書いてあるし、ぶっちゃけ長文書くの面倒だから画像1枚で済ませられればいいかななんて思っていたけど書き始めたらなんだか面白くなってきた。
ところで>>743は複数のアイテムを掴んだ場合の心配をしているけどインサータから発生するパルスは運搬したアイテムの分だけ発生する。だから1個づつ掴もうが3個同時に掴もうが動作には影響がない。
ベルトから掴む場合は1サイクル中でも掴むまでに時間差があるのでアイテム1のパルスが複数回発生することになるし、箱から掴む場合はスタック最大数まで掴もうとするので12みたいな大きいパルスが発生するけど結局ベルトのパルスでカウンタのA信号が正の値になるまでインサータは動作停止するので割合は維持される。
もし必要数以上拾いたくない、かつ箱から拾う場合はインサータのスタック数を制御する必要があるが、ベルトから拾う場合は必要ない。
なぜならインサータが1つ掴むたびにパルスが発生し、動作条件が更新されるから。インサータは動作条件を満たさなくなった段階でそれ以上掴むのをやめて、掴んでいる分は運搬を完了させる。この動作によりわざわざスタック数を設定しなくても必要分まで拾ってくれるのである。
よくあるミスでパルス信号に連動してインサータを1tickだけ有効にすれば1回だけアイテムを拾ってくれると思っていると裏切られることになる。
ちなみに画像でアイテム信号をわざわざAに変換しているのはブループリントを配布した場合にどんなアイテムで試しても問題なく動作させるためでそれ以上の意味はない。
流れてくるアイテムが決まっているならAに変換せずにインサータの条件部分のAを流れてくるアイテムにすればいい。インサータの動作条件も適当にA>0としているが、これもあまり深い意味はない。Aが一定以上のときに動くなら何でもいい。
なお今回は要件が曖昧なので考慮しなかったが抜き出す側の消費だけが少なくて詰まってしまう場合、その間もカウンタは正の側に進み続けるので詰まりが解消したときには直近の割合を無視してカウンタがマイナスになるまで拾い続けるという動作になってしまう。全体を通してみれば要件は満たしているがはたしてそれで実用的かといえば疑問である。先に話したリセット機構を組み込むか、そもそも他の人が言っているようにバランサーを使えば詰まっても関係ないし、なんなら割合なんて気にせずスタックインサータと容量を制限したチェスト置いとけばいいんじゃんと思う次第。
だいたいロケット飛ばすまでに使う回路なんて石油精製のポンプ制御くらいだし、原発の濃縮部分や燃料投入で回路使えるけど別になくてもいいレベルだし、ランプピカピカは楽しいけど役に立たないし、実用性があって解説しがいのある回路となると列車の積み下ろしのバランサくらいなのでは?

つまり何が言いたいかというと、複雑な回路はたいして出番がない