■募るJ-POPへの危機感 K-POPは世界標準(川谷絵音)

この連載では日本のヒットチャートについて書いてきたので、これには言及しないといけない。

まず根本的に違うのは、J-POPでは歌を乗せるためにビートが存在するが、
K-POPではビートと歌が同時に補完し合いながら鳴っている。
分かりやすく言えば、J-POPは、はっきりと歌を押し出していて、K-POPはリズムと歌で曲を押し出している。

実際、BTSの事務所の日本法人であるBig Hit Entertainment Japanの日本在住プロデューサー募集の応募要項には、
「メロディーが鮮明で、ダイナミックな流れの起承転結がはっきりとした、定型化された曲の構造の音楽デモはご遠慮ください」と書いてある。
これは暗にJ-POPはご遠慮くださいということだ。

BLACKPINKの『How You Like That』もリズムと歌が合わさって、1つのメロディーになっている。
他のアルバム収録曲を聴いてもJ-POPのように定型化された曲がない。

BLACKPINKやBTSが米ビルボードにランクインし、K-POPは世界が認める音楽ジャンルとなった。
今作でも、セレーナ・ゴメスやカーディ・Bといった世界的スターとコラボし対等に渡り合っている。
K-POPはアジア圏のアーティストに光を与えてくれた。これでJ-POPもどう変わっていくのか。

僕もBig Hit Japanの日本在住プロデューサー募集の応募要項を見て考えることがあった。
J-POPがダメだとかではないが、これでは世界で戦えない。変化の時が来ている。

●川谷絵音
1988年12月3日生まれ、長崎県出身。
ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoroといったバンドのボーカルやギターとして多彩に活動中。
2月17日にニューアルバム『夜行秘密』をリリースするindigo la Endは、新曲『フラれてみたんだよ』を配信中。