大阪ミナミ、インバウンド減に危機感
産経WEST 2020.07.01
https://www.sankei.com/west/news/200701/wst2007010011-n1.html

「訪日客向けの店舗を中心に解約が増えている」。

 ミナミで店舗用物件を扱う不動産業者は漏らす。

 同社では、4月以降、管理する物件のうち全国展開するドラッグストアなど数十件が撤退。

 近畿で前年比最高の変動率(44・6%)となった心斎橋エリアを抱えるミナミだが、
先行きは見通せない状態だ。

 「大阪の台所」とされる黒門市場でも、昨年と比べ人出は9割ほど減少し、
訪日客向けの飲食店など5店舗が閉店に追い込まれた。
黒門市場商店街振興組合の国本晃生(あきお)事務長(51)は
「ここ数年、この界隈は訪日客の急増で賃料が上がったが、訪日客頼みの店舗は訪日客が来なければ、すぐに賃料を払うことができなくなる」
と話す。

 不動産経済研究所大阪事務所の笹原雪恵所長は
「訪日客増加の影響で上昇してきたミナミは、その分下降度合いも大きくなる。新型コロナの影響が長期化すれば、南北差が広がる可能性がある」
と話している。(入沢亮輔)