人口約880万人を擁する日本第二の都市・大阪府は、三大都市圏で最も速いスピードで人口減少を迎え、30年後には約160万人減少、720万人になる見込みだ。
 また、高齢者人口も今後30年間で約40%増え、東京に次ぐスピードで高齢化が進むという。
一方、大阪市に限定すれば、現状は人口拡大が続いている。しかし、大阪市の人口拡大には、同じく人口が増えている東京23区や福岡市とは違う実情がある。
 「大阪市への移住者について分析すると、大阪市の人口拡大を支えているのは外国人であることがわかるのです」(河合氏)
「いま、大阪の中心部には低所得の単純労働者が増えています。急増している外国人居住者も、その多くは単純労働者です。
一方、中・高所得者の中には、よりよい環境を求めて市外に出ていく人が増えている。
 今後もさらに単純労働者が増え、中・高所得者が減ると、人と環境ががらりとかわり、大阪がこれまで培ってきた伝統的なコミュニティが消えるおそれがあります」
 日本人のコミュニティに代わり、外国人のコミュニティが増えていけば、大阪の街が外国人だらけになる日が来るかもしれない。