カジノ解禁目指す「IR法案」 “ギャンブル依存”対策不十分の声も
TBS系(JNN) 12/1(木) 19:29配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20161201-00000070-jnn-pol
官邸も後押しするカジノ法案。国会延長が決まった途端、一気に成立させようという動きが強まっています。
突如、表舞台に現れた格好ですが、成長戦略や経済効果というメリットを訴える声と、ギャンブル依存症増加や犯罪への懸念の声が、いま、ぶつかり合っています。

 横浜市の山下公園。その間近に見える山下埠頭では、いま開発が進んでいます。

 「観光スポットとして有名な山下公園から見える山下埠頭が今、カジノ誘致の候補地として取りざたされています」(記者)

 「カジノがあってもいいんじゃないかなと。いろいろと盛り上がると思うんでいいかなと」(横浜市民)
 「子どもが小さいので、治安の面で不安なところがあるので、あまりうれしくはないかなと」(横浜市民)

 横浜市は、カジノなどの経済効果は4100億円余り、税収は61億円増えると試算しています。

 こうした中、国会では今、超党派の有志の議員が提出するカジノ解禁などを含む、いわゆる「IR法案」を巡って、自民党などが一気に成立させる構えを見せています。菅官房長官も“後押し”を・・・

 「観光立国を進める観点からも、十分審議をしてほしいとお願いはさせていただきました」(菅義偉 官房長官)

 自民党は2日に委員会で採決し、6日に衆議院を通過。14日の会期末までに成立させる日程を描きます。

 自民党が前のめりとなるなか、注目されるのが与党・公明党。ギャンブル依存症の増加への懸念などから、執行部は慎重姿勢を崩しておらず、党内議論を11月30日にスタートしたばかりです。

 「党内的にも十分な議論をする必要がある。結論を急がないで、しっかり議論すべき」(公明党 漆原良夫 中央幹事会会長)

 ただ、公明党内には、賛成の意向を示す議員も多くいるのも事実で、意見は割れている状態です。

 また、カジノ解禁を目指す日本維新の会が、自民党に急接近していることに、党内からこんな警戒する声も・・・

 「今後の与党のことを考えたら、うちはもっと大きな視点で考えた方がいい。自民と維新だけで成立させてしまうと良くないよ」(賛成派の公明議員)

 先月の与党党首会談では、安倍総理が山口代表に協力を要請。党内部では、採決の際、党議拘束をはずして自主投票とする案も浮上しています。
カジノ法案の行方は、国会の大きな焦点となっています。

 一方、ギャンブル依存症患者の支援などを行う団体が1日、会見し、IR法案は「依存症への対策が不十分」などと訴えました。

 「急な審議になったとしても、ギャンブル依存症対策について今からでも盛り込んでいただければと思う」(ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表理事)

 厚生労働省の調査によりますと、ギャンブル依存症の患者はおよそ536万人と推定されていて、20歳以上のおよそ20人に1人にのぼっています。
会の代表で、自身もギャンブル依存症だったという田中紀子さんは、「カジノだけではなく、既存のギャンブルまで踏み込んだ依存症の対策をしてほしい」などと話しました。(01日16:32)

最終更新:12/2(金) 0:56
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