花の咲く時期の違いで新しい植物が生まれる −初夏に咲くアキノキリンソウの進化学−
2017年08月31日
阪口翔太 人間・環境学研究科助教らの研究グループは、通常は秋に開花する植物であるアキノキリンソウの開花時期を、北海道の各地で調べました。その結果、初夏に開花する早咲きのアキノキリンソウ系統を発見しました。そこで早咲きと遅咲きの系統の間で遺伝的な違いを調べたところ、蛇紋岩地帯という特殊な土壌地帯の早咲き系統だけが遺伝的な組成を急速に変化させ、新しい種へと進化していることが分かりました。本研究から、開花時期の違いにより時間的に隔離された系統の中から、新しい種が生まれつつあることが実証されました。
本研究成果は、2017年8月21日に英国の植物学雑誌「New Phytologist」に掲載されました。
○研究者からのコメント
今後の研究としては、そもそもどうして蛇紋岩地帯や高山帯という環境においてアキノキリンソウが早く開花するようになったのかを明らかにする必要があります。さらに、分子進化という観点からは、アキノキリンソウの種分化に関わっている遺伝子を特定することで、DNA分子レベルから植物の進化メカニズムを解明したいと考えています。
--- 引用ここまで 全文は引用元参照 ---
▽引用元:京都大学 2017年08月31日
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170821_1.html
図:隣り合った場所に生育しているアキノキリンソウにおいて、開花する時期が蛇紋岩地帯で変化し、通常型の遅咲き系統と花粉のやり取りができなくなった状況を模式図で示した。花を訪れる昆虫はそれぞれ同じ系統の中だけでしか花粉を運べないので、早咲きと遅咲きの系統の間で遺伝的な変化が起きていく。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/images/170821_1/01.jpg/image
2017年08月31日
阪口翔太 人間・環境学研究科助教らの研究グループは、通常は秋に開花する植物であるアキノキリンソウの開花時期を、北海道の各地で調べました。その結果、初夏に開花する早咲きのアキノキリンソウ系統を発見しました。そこで早咲きと遅咲きの系統の間で遺伝的な違いを調べたところ、蛇紋岩地帯という特殊な土壌地帯の早咲き系統だけが遺伝的な組成を急速に変化させ、新しい種へと進化していることが分かりました。本研究から、開花時期の違いにより時間的に隔離された系統の中から、新しい種が生まれつつあることが実証されました。
本研究成果は、2017年8月21日に英国の植物学雑誌「New Phytologist」に掲載されました。
○研究者からのコメント
今後の研究としては、そもそもどうして蛇紋岩地帯や高山帯という環境においてアキノキリンソウが早く開花するようになったのかを明らかにする必要があります。さらに、分子進化という観点からは、アキノキリンソウの種分化に関わっている遺伝子を特定することで、DNA分子レベルから植物の進化メカニズムを解明したいと考えています。
--- 引用ここまで 全文は引用元参照 ---
▽引用元:京都大学 2017年08月31日
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170821_1.html
図:隣り合った場所に生育しているアキノキリンソウにおいて、開花する時期が蛇紋岩地帯で変化し、通常型の遅咲き系統と花粉のやり取りができなくなった状況を模式図で示した。花を訪れる昆虫はそれぞれ同じ系統の中だけでしか花粉を運べないので、早咲きと遅咲きの系統の間で遺伝的な変化が起きていく。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/images/170821_1/01.jpg/image