http://www.bbc.com/japanese/39918853
150カ国で被害をもたらしているサイバー攻撃は、12日の開始当初から英国の国民保健サービス(NHS)のコンピューターを多数停止させた。週末の被害状況を調べているNHSイングランドは15日、月曜を迎えるにあたり、国民にNHS系医療機関を「賢く」使うよう呼びかけた。ウィルスによる「身代金」要求と関連する3つの口座をBBCが分析したところ、15日朝までに3万8000ドル(約433万円)が支払われたもようだ。
12日からの攻撃でイングランドでは47のNHS信託が、スコットランドでは13信託が、系列の病院で影響があったと報告している。一部の病院では治療や予約をキャンセルし、救急車の受け入れを断り他の施設に回すしかない状況だった。
NHSイングランドは、状況の把握が進むにつれて「複雑な全容」が明らかになりつつあると説明。被害に遭った47信託のうち7組織の病院で、まだ深刻な影響が出ているものの、来院を控えるよう特に指示されていなければ予約した通りに受診するよう呼びかけている。
一般開業医の一部は、本当に受診する必要があるか検討するよう患者に促している。
患者(patient)には我慢強く(patient)と
イングランドとスコットランドのNHSのコンピューターが被害を受けたウィルスは、 「Wanna Decryptor」もしくは「WannaCry」と呼ばれ、12日以降、150カ国で20万台のコンピューターを感染させた。ウィルスは、感染したコンピューターシステムの利用者情報を盗み、アクセスを妨害し、仮想通貨ビットコインで300ドル(約3万4000円)の「身代金(ランサム)」を払うよう脅す「ランサムウェア」で、米フェデックスや仏ルノー、ロシア内務省などにも広がった。
14日の時点で依然としてコンピューターシステムの障害が続いていた7医療機関は、(1) ロンドンのセント・バーソロミュー病院(通称「バーツ)」、(2) 東および北ハートフォードシャー信託、(3) ノーフォークのジェイムズ・パジェット大学病院、(4) サウスポート・アンド・オームスカーク病院NHS信託、(5) リンカーンシャー病院NHS信託、(6) ヨーク研修病院NHS信託、(7) 北ミッドランズ信託ユニバーシティー病院。
NHSイングランドのロンドン緊急事態対応責任者アン・レインスベリー医師によると、特に深刻な影響が出たのは、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)、レントゲンなどの画像データをコンピューターでやりとりするを病理診断部門だった。
レインスベリー医師は国民に、自分にどういう医療サービスが必要なのかを検討するよう呼びかけている。
「医療相談は、薬局はNHS111(医療電話相談)など様々な場所で受けることができます。利用者の皆さんには、世界的なサイバー攻撃の影響を考慮して、スタッフには我慢強く接していただくようお願いします」
週末には休診中だった一般開業医が月曜日に診察を再開し、コンピューターを立ち上げれば、さらに感染が広がるのではないかと懸念されている。一部の医療機関では月曜に出勤するスタッフに、安全確認の通知があるまでコンピューターの電源を入れないよう指示している。
イングランド北西部の北カンブリアと北西カンブリア地方では、多数の一般開業医が患者に、15日と16日に本当に受診する必要があるか検討するよう呼びかけている。一部の医療機関では、サイバー攻撃の影響でカルテや処方箋、予約などの管理システムや電話に障害が残っている状態だという。
(>>2以降に続く)
2017/05/15
150カ国で被害をもたらしているサイバー攻撃は、12日の開始当初から英国の国民保健サービス(NHS)のコンピューターを多数停止させた。週末の被害状況を調べているNHSイングランドは15日、月曜を迎えるにあたり、国民にNHS系医療機関を「賢く」使うよう呼びかけた。ウィルスによる「身代金」要求と関連する3つの口座をBBCが分析したところ、15日朝までに3万8000ドル(約433万円)が支払われたもようだ。
12日からの攻撃でイングランドでは47のNHS信託が、スコットランドでは13信託が、系列の病院で影響があったと報告している。一部の病院では治療や予約をキャンセルし、救急車の受け入れを断り他の施設に回すしかない状況だった。
NHSイングランドは、状況の把握が進むにつれて「複雑な全容」が明らかになりつつあると説明。被害に遭った47信託のうち7組織の病院で、まだ深刻な影響が出ているものの、来院を控えるよう特に指示されていなければ予約した通りに受診するよう呼びかけている。
一般開業医の一部は、本当に受診する必要があるか検討するよう患者に促している。
患者(patient)には我慢強く(patient)と
イングランドとスコットランドのNHSのコンピューターが被害を受けたウィルスは、 「Wanna Decryptor」もしくは「WannaCry」と呼ばれ、12日以降、150カ国で20万台のコンピューターを感染させた。ウィルスは、感染したコンピューターシステムの利用者情報を盗み、アクセスを妨害し、仮想通貨ビットコインで300ドル(約3万4000円)の「身代金(ランサム)」を払うよう脅す「ランサムウェア」で、米フェデックスや仏ルノー、ロシア内務省などにも広がった。
14日の時点で依然としてコンピューターシステムの障害が続いていた7医療機関は、(1) ロンドンのセント・バーソロミュー病院(通称「バーツ)」、(2) 東および北ハートフォードシャー信託、(3) ノーフォークのジェイムズ・パジェット大学病院、(4) サウスポート・アンド・オームスカーク病院NHS信託、(5) リンカーンシャー病院NHS信託、(6) ヨーク研修病院NHS信託、(7) 北ミッドランズ信託ユニバーシティー病院。
NHSイングランドのロンドン緊急事態対応責任者アン・レインスベリー医師によると、特に深刻な影響が出たのは、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)、レントゲンなどの画像データをコンピューターでやりとりするを病理診断部門だった。
レインスベリー医師は国民に、自分にどういう医療サービスが必要なのかを検討するよう呼びかけている。
「医療相談は、薬局はNHS111(医療電話相談)など様々な場所で受けることができます。利用者の皆さんには、世界的なサイバー攻撃の影響を考慮して、スタッフには我慢強く接していただくようお願いします」
週末には休診中だった一般開業医が月曜日に診察を再開し、コンピューターを立ち上げれば、さらに感染が広がるのではないかと懸念されている。一部の医療機関では月曜に出勤するスタッフに、安全確認の通知があるまでコンピューターの電源を入れないよう指示している。
イングランド北西部の北カンブリアと北西カンブリア地方では、多数の一般開業医が患者に、15日と16日に本当に受診する必要があるか検討するよう呼びかけている。一部の医療機関では、サイバー攻撃の影響でカルテや処方箋、予約などの管理システムや電話に障害が残っている状態だという。
(>>2以降に続く)
2017/05/15