>>581
3相誘導機は逆相インピーダンスが非常に小さいため運転中に欠相時には2倍程度の電流が流れてしまいます
停止中というか起動時になると思うのですが、要は3相誘導機を単相電源で起動させようとすることになると思うのですが
この場合は始動トルクが発生しないため所謂始動電流が延々流れ続けることになるので
この時には7倍程度の電流が流れるかもしれませんね
つまり年次点検での復電時にこういったリスクが考えられるという…
しかしこれらは怖いように思えますが機器単体の過電流ですのでブレーカ、サーマル、3Eリレーなんかでそれなりに防げます
やはり怖いのは異常電圧ですね
ここの8-84ページにブレーカを開いたときに発生したサージ電圧が載っています
http://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/document/catalog/lvcb/yn-c-0657/y0657d1502.pdf
ここを見ると最大で2kVくらい発生しているのがわかるかと思います
ここでは電源電圧とか記載されていますが実際にはこれらはあまり関係がありません
この電圧は8-83ページにある通りLの逆起電圧の一般式で求められ、基本的に電流の変化量で決まります

ただしこれらは時間的には非常に短く一般的には耐インパルスという規格で定められています
JISに準拠した製品であれば概ね0.8kV〜4kVには耐えられるように設計されているはずです
しかしインパルス電圧というのはJISで1.2/50[us]の波形と定められています
上の資料の異常電圧はms単位で記録されている物もあって継続時間がかなり長いことがわかります
絶縁体の破壊は最終的にジュール熱で決まるので時間がこれだけ違うと電圧値だけでは判断できなくなります
そしてこれらは新品での規格ですので使い古されて劣化した物であればかなり弱っていることもあるでしょう
やはりMCCBを切った時に発生する開サージが一番怖いように思えます…

ちなみにインパルスは実際には電流源として扱うのが一般的です
一般の電気製品の耐インパルス試験を行う際に流れる電流は1〜3kA 4/10[us]あたりとなります
いずれにしろ絶縁抵抗計の15mAとは6桁くらい違う領域ですね


長々と書きましたが、結論としては一言
MCCBを「切る」ときにはとんでもない異常電圧が出ることがあるので皆さん注意しましょう