パナソニックがスポーツの試合場となるスタジアム向け事業に力を入れている。機器の単品販売が中心だったが、効果的な演出ができるシステムの企画・提案を始め、野球場では成果も出ている。政府はスポーツ産業の振興へ2025年までに20カ所のスタジアムを整備する構想を持つ。魅力的な会場づくりに貢献できることを売りにスポーツビジネスに食い込む。
「ニッポン!ニッポン!」。5月30日、パナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)。日産スタジアム(横浜市)で行われたサッカーの日本代表チームとガーナ代表との親善試合を応援する約1000人の観客は、グラウンドにそびえ立つ幅16メートル、高さ9メートルのスクリーンに声援を送った。
720インチ相当のスクリーンは空気で膨らませ、ゴール裏のビジョンより大きな映像を高輝度のプロジェクターで投映した。このスタジアムで初の有料パブリックビューイングは市の催しで、8月中旬にも開く予定という。
企画したのはパナソニックが全額出資するシステム開発・販売会社、パナソニックシステムソリューションズジャパンの武藤雄太氏だ。
17年に入社した武藤氏は「スタジアム演出のプロ」。場内演出や観客動員の担当としてプロ野球のオリックス、楽天、日本ハムと渡り歩いた。オリックス所属時の08年、プレー中でもバッターの顔写真を大型ビジョンに映し、話題となった。日本ではプレー中は演出を控えるのが慣例だったからだ。
■切り札引き込む
武藤氏は米大リーグが開く場内演出の会議などに参加し、最新の趣向をつかむ。「スポーツチームのニーズをくみ取ってテクノロジーと組み合わせる」と抱負を語る。
武藤氏はスタジアムからスポーツビジネスを開拓するうえでの切り札。経営幹部を中心に外部から人材を引き込む取り組みを事業の現場にも広げた。
なぜスタジアムなのか。日本のスポーツ庁などによると、米国のスポーツ産業の市場規模は14年で49兆8000億円。欧州のプロサッカーのスター選手を「爆買い」して話題になった中国にも18兆1000億円(12年)の市場がある。日本は5兆5000億円にとどまっており、25年に15兆円に増やす計画だ。その中で自治体や関係省庁に制度面でのスタジアムの新設や改修の後押しを促す方針。娯楽やレジャーとしてのスポーツ産業の拡大を目指し、観戦の受け皿を増やす。
(続きます)
「ニッポン!ニッポン!」。5月30日、パナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)。日産スタジアム(横浜市)で行われたサッカーの日本代表チームとガーナ代表との親善試合を応援する約1000人の観客は、グラウンドにそびえ立つ幅16メートル、高さ9メートルのスクリーンに声援を送った。
720インチ相当のスクリーンは空気で膨らませ、ゴール裏のビジョンより大きな映像を高輝度のプロジェクターで投映した。このスタジアムで初の有料パブリックビューイングは市の催しで、8月中旬にも開く予定という。
企画したのはパナソニックが全額出資するシステム開発・販売会社、パナソニックシステムソリューションズジャパンの武藤雄太氏だ。
17年に入社した武藤氏は「スタジアム演出のプロ」。場内演出や観客動員の担当としてプロ野球のオリックス、楽天、日本ハムと渡り歩いた。オリックス所属時の08年、プレー中でもバッターの顔写真を大型ビジョンに映し、話題となった。日本ではプレー中は演出を控えるのが慣例だったからだ。
■切り札引き込む
武藤氏は米大リーグが開く場内演出の会議などに参加し、最新の趣向をつかむ。「スポーツチームのニーズをくみ取ってテクノロジーと組み合わせる」と抱負を語る。
武藤氏はスタジアムからスポーツビジネスを開拓するうえでの切り札。経営幹部を中心に外部から人材を引き込む取り組みを事業の現場にも広げた。
なぜスタジアムなのか。日本のスポーツ庁などによると、米国のスポーツ産業の市場規模は14年で49兆8000億円。欧州のプロサッカーのスター選手を「爆買い」して話題になった中国にも18兆1000億円(12年)の市場がある。日本は5兆5000億円にとどまっており、25年に15兆円に増やす計画だ。その中で自治体や関係省庁に制度面でのスタジアムの新設や改修の後押しを促す方針。娯楽やレジャーとしてのスポーツ産業の拡大を目指し、観戦の受け皿を増やす。
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