2019年02月10日 08時23分 JST | 更新 2時間前
「憧れの私、描くよ」 。スター☆トゥインクルプリキュア制作陣が子どもたちに伝えたいこと【インタビュー】
女の子だって、冒険しよう。「分からないこと」を怖がらないプリキュアに託した思いとは。
加藤藍子


何て自由なんだ! 2019年2月から放送が始まった「スター☆トゥインクルプリキュア」(スタプリ、毎週日曜、ABCテレビ・テレビ朝日系列)の第一印象は、とにかくそれに尽きる。
オープニングに続くCMが終わり、本編開始後たった1分足らず。主人公の中学2年生・星奈ひかるは、初回からあっという間に「宇宙」へ飛び出してしまった。自分がノートに描いた絵から出現した、妖精フワの力でだ。
前作では男の子がプリキュアに変身したことなどで注目を浴びたが、今度はどんなパワフルな「革命」を見せてくれるのだろう。プロデューサーの柳川あかりさん、田中昂さんに、プリキュア宇宙進出の理由を聞いた。(インタビュー内は敬称略)



追究した「プリキュアらしい」宇宙

――初回からいきなり、宇宙へ。構想はどこから生まれたのですか。

田中:そもそも、提案してくれたのは柳川さんでしたよね。
柳川:私自身、宇宙がすごく好きだったので(笑)。また、主人公のひかるたちはこれから色々な惑星に行ったり、「地球人」以外の存在に出会ったりします。物語を紡ぎやすい舞台でもあると考えました。「多様性」というテーマを大切にしてきたプリキュアシリーズと宇宙は、相性がよいと思ったんです。
――プリキュアはこれまで、「花」や「スイーツ」など女の子に人気があるモチーフに着想を得てきました。その中で「宇宙」は、やや異色ですね。1話からロケットで宇宙に飛び出て、無重力空間で戦うという......。

柳川:挑戦ではありますね。初代が「女の子だって、暴れたい」から始まったように、型にはめないのがプリキュアらしさではある。一般的な「女の子らしさ」「男の子らしさ」の間、というところは意識しました。ただ、企画立ち上げ段階でも「男の子向けになり過ぎないか」という点は議論がありました。だからこそ、女の子に向けてこのモチーフで挑みたいと思いました。受け入れられやすい「王道」をいくのか? そこから一歩踏み出て「冒険」をするのか? というバランスは悩みどころです。
田中:あくまで「傾向」はあるので難しいですよね。経験的に、女の子の好奇心は「日常」や「足元」から広がっていく感じがあるんです。それに対して、いきなり地球の外に連れていかれて、しかも真っ暗な宇宙空間......となると、入り込んでもらいにくいのかなと。それで、描き方は工夫しました。例えば、第1話冒頭でひかるがワープする「星空界」は、同じ宇宙でも「地球から遠くとおく離れている」という設定。ポップな色使いや、キラキラしたモチーフを散りばめて、ファンシーな世界観にしました。一方、戦闘シーンの舞台になっていたゾーンは、地球に近いところにある空間という設定です。こちらはリアルな宇宙に近い描写にしています。


――女の子たちを「冒険」に誘うために、色々な仕掛けを仕込んでいる、と。

柳川:一般的には男の子っぽいと言われる題材でも、切り口次第で「調理」はできると考えていました。私が通っていた女子高校では、「宇宙授業」というプログラムがあったんですよ。「宇宙×食べ物」とか「宇宙×ファッション」とか、各回で異なるテーマが設けられていて。宇宙を身近に感じるきっかけになったのをよく覚えているので、ヒントにはしました。
田中:「掛け合わせ」でいうと、番組の最後に「星座占い」のコーナーを設けたのも仕掛けの一つです。急に「星座」「宇宙」と言われると4〜5歳の女の子には難しいかもしれないけれど、自分の誕生月の星座についてお父さんやお母さんと一緒に話しながら、少しずつ関心を持ってくれたらいいなと考えています。


「多様性」に向き合うために大切なのは、自分の頭で考えること
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.huffingtonpost.jp/2019/02/09/kira-yaba_a_23665458/