クリントン大統領は中国と協力して日本を経済的な二流国家におとしめようと考えた。
(世界に「工場」は二つ要らない)

中国の人民元を大幅に切り下げたのはクリントン大統領だった。一九九三年一月に登場してからほぼ一年後、
クリントン大統領は中国政府の強い要望を入れて、それまで一ドル五.・七二人民元であった交換レートを一挙に
六〇パーセント切り下げた。一ドルを八・七二元にしてしまったのである。

こうしたクリントン大統領の暴挙に近い切り下げは、明らかに日本に対する悪意に基づいていた。
クリントン大統領は日本が嫌いで中国が好きだったことで知られている。彼は中国と協力して日本を
経済的な二流国家におとしめようと考えた。そこで中国の経済力を拡大し、輸出を増やすためちがうに人民元を
一挙に切り下げたのである。

この頃日本国内では、中国人民元のレートにまで関心を持つ人はあまりいなかった。
マスコミもほとんど注目しなかったが、人民元が六〇パーセントも切り下げられたので、
中国は貿易上きわめて有利な立場に立った。