>>1の続き

大阪でもダムカレーの人気が押し寄せている。
昨年は大阪狭山市で国内最古のダム式ため池をモデルにした「狭山池ダムカレー」が誕生。
古事記にも記された狭山池が28年に築造1400年を迎えたことを記念したもので、
市と市内にもキャンパスを持つ帝塚山学院大学がレシピを作った。

それをもとに、ケーキ販売やカフェ運営を手がける「フラワー」(本部=大阪府羽曳野市)が
昨年11月からメニューに加え、現在は狭山池に隣接する狭山池店で販売。
3Dプリンターで作成したライス用の型を用いて池の形を再現し、ご飯は無農薬、無肥料の米を使った。
マツコさんの番組でも紹介され、本人が「おいしい」と評価した。

さらに同大学などは「家庭でもダムカレーを楽しんでほしい」とレトルト版の商品化も進めている。
スパイシーな味わいを生かした仕上がりで、来春ごろには店頭に並ぶという。

ライスの盛りつけについては、
約8千分の1サイズの狭山池を模した台紙を同大学のホームページで公開して対応。
動画投稿サイト「ユーチューブ」でも盛りつけ方を紹介している。

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ダムライターの宮島さんが注目するのが、「宮ケ瀬ダム」(神奈川県)にちなんだカレーだ。
相模原市や愛川町など3市町村にまたがる同ダムは、
横浜市をはじめ20市町の水源で、洪水調節など多彩な機能を持つ。

そのダム近くの「Lake side cafe」(愛川町)は「宮ケ瀬ダム放流カレー」を27年から販売している。
ダム本体部分に見立てたライスを境界線のように盛り、両側に野菜やベーコンとルーを配置。
ライスに刺さったソーセージを抜くと、片側のルーが“放流”される仕組みだ。

同ダムでは定期的にデモンストレーションの観光放流があり、
この店を経営する浅見摩紀さん(38)は「観光放流を見たあとにカレーの放流を楽しむ方も多いです」。
店内では「インスタ(写真共有アプリ・インスタグラム)映えします」との声が上がったり、
「放流しまーす」のかけ声でソーセージを抜く客もいたりと反応は上々という。

宮島さんは
「ダムカレーを定着させるには、
 こうした『ひとひねり、ふたひねり』の工夫を加えることが必要です」と指摘した。
(藤崎真生)

終わり